【ホンダ NSX】新型NSXの受注開始は8月25日から!NSX情報総まとめ

今年の5月のこと、チャリティーオークションに出品された新型NSXの第1号車が1億5,000万円で落札され、オーナーに手渡されました。量産体制が整ったことから、いよいよ日本でも公式発表が行われます。同時に受注も始まりますから、新型NSXが日本の道を走る日はそんなに遠くないでしょう。そこで、新型NSXの魅力を確認するとともに、初代NSXの魅力も振り返ってみたいと思います。

ホンダ NSXとは

世界のHONDAが、持てる技術の粋を結集して開発したスーパーカーです。新型NSXは計画着手から5年の歳月を掛けて、今年の5月に1号車がデリバリーされました。量産体制が整ったことから、来る8月25日から日本でも受注が行われます。
初代NSXは、“日本で唯一のスーパーカー”とさえ言われたクルマです。古くはトヨタ200GTや日産フェアレディZ、スカイラインGT-Rなども十分“スーパーカー”と呼ぶにふさわしいクルマはありましたし、現代でもハイパフォーマンスモデルは存在します。ですが、NSXが他のクルマと圧倒的に違うのは、ミドシップ2シーターという組成でしょう。V型6気筒DOHCエンジンをミドに搭載し潔く2シーターにしたことで、世界の名だたるスーパーカー達と渡り合えるクルマに仕上がっています。

新型NSX

バブル絶頂期の1989年に発表され、1990年9月から2005年12月末までの15年間にわたってフルモデルチェンジを行わず生産された初代NSX。生産終了から10年の沈黙を破り、新型NSXがデビューしました。

新型NSXについて

では、2代目となる新型NSXについてみてみましょう。そもそも2010年頃を目処に日本でもアキュラブランドが展開される予定があり、新型NSXはアキュラブランドで販売される予定でした。ところが2008年に起きた世界的な金融危機による事業見直しでアキュラの日本導入は白紙撤回、日本でのアキュラブランド展開計画も中止することが発表されたのですが...
2011年に、“NSXがハイブリッド車になって登場する”というスクープが英国メディアから飛び出します。さらにアキュラの公式Facebookで、翌年の北米国際自動車ショーで発表されるコンセプトカーが公開予定の映画『アベンジャーズ』で、主人公が乗るオープンカーとして登場することが報道されたのです。車名こそNSXとは発表されなかったものの、計画が進んでいることを伺わせるとして期待が膨らみました。
2012年1月9日、北米国際オートショーに「NSXコンセプト」が出展されました。この時搭載していたエンジンは進化したVTECを採用したV型6気筒で、モーターを組み合わせて後輪を駆動するハイブリッドシステムを採用しています。さらに前輪をモーターでそれぞれ駆動して、前輪の左右のトルクを変化させるトルクベクタリング機能も搭載している模様。エンジンと3個のモーターを使用する4輪駆動システムと言うことで「Sport Hybrid SH-AWD(Super Handling All Wheel Drive)」と命名されました。

アメリカのHonda R&D Americas社で開発、生産はオハイオ州の工場が担当します。この時点で、3年以内に米国内で、その後日本での販売を目指していました。2013年8月4日には試作車両が公開されて、オハイオ州に所在するミッドオハイオ・スポーツカーコースで開催されるインディカー・シリーズでデモ走行が行われました。さらに10月23日には、第43回東京モーターショーに「NSX CONCEPT」が公開されることが発表されました。

いよいよ量産型のお目見え

2015年1月に開催された北米国際オートショーにおいて、新型NSXを世界初公開しました。2015年秋に生産が始まる予定でしたが、後に2016年春に延期されました。日本では、2015年の第44回東京モーターショーでNSXコンセプトのモデルチェンジした車が展示されました。
かくしてコンセプトモデルだったNSXが量産体制にはいっていくことになりました。アメリカン・ホンダモーターは、北米仕様車の量産第一号車を2016年5月24日にラインオフし、チャリティーオークションで権利を落札した男性に納車されました。

日本でのXデーは8月25日

2016年8月8日、ホンダの公式ホームページ上にティザーサイトが公開され、日本では8月25日に公式発表予定とのことです。併せて全国のHonda Carsのうち、スーパースポーツカーのメンテナンスに必要な専用設備と認定サービスエンジニア「NSXスペシャリスト」を擁する「NSX PERFORMANCE DEALER」をつくることが発表され、日本での新型NSXの購入サポートや商談申込は公式発表日から「NSX PERFORMANCE DEALER」で開始される予定です。

主要諸元

全長×全幅×全高:4,470×1,940×1,215mm
ホイールベース:2,630mm
パワートレイン:V型6気筒 3.5Lツインターボ(ドライサンプ潤滑)+モーター×3(前2基、後1基)
冷却システム:ラジエーター3基、インタークーラー2基、空冷式熱交換器10基、9速DCT用熱交換器2基
最高出力:580ps(573hp)
最大トルク:65.8kgm
ミッション:9速デュアルクラッチ
駆動:4WD「SH-AWD」
車重:1,725kg
前後重量配分:42:58
0-96km/h加速:3.0秒
最高速度:307km/h
タイヤサイズ:F 245/35Z R19/R 295/30Z R20
ブレーキ:F 6ピストン/R 4ピストン カーボンセラミックブレーキ
ボディ素材:アルミニウム、超高張力鋼板、カーボンの複合
走行モード:Quiet・Sport・Sport+・Trackの4モード切替可能な「インテグレーテッド ダイナミックシステム」

価格

さて気になる価格ですが、上述したホンダの公式サイトによれば“8月25日に公式発表予定”となっています。先行して発売されたアメリカでの価格はベースモデルが15万6000ドルですから、日本円に換算すると約1890万円になります。フルスペックモデルだと20万5700ドルですので、約2500万円ということですね。
高いか安いかという議論を超えていますが、そのスペックから考えればライバル達と比較しても割安感があります。もちろん「じゃぁ」と言って払える金額ではないのですが...

新型NSXにTYPE-Rはあるのか?

公式発表はありませんのであくまでも噂の域を出ませんが、新型NSXにRモデルが追加されることは日増しに現実味を帯びてきています。2015年北米国際自動車ショーの会場で、NSXの開発責任者であるテッド・クラウス氏に将来タイプRが追加される可能性についてイギリスメディアが質問したところ、「クルマを愛する皆さんは、"赤い"バージョンが見たいのだろうと私は思っています。NSXはいつも"シルバー"が先に発表され、その後にレッドが続きます。いつになったら満足するのか、とよく質問されますが、決して満足することなどありません。今日成し遂げたことは、明日さらに改善できるのですから」と話しています。

過去のNSXを振り返る

1983年、ホンダはエンジンサプライヤーとしてF-1への復帰を果たしました。これを機に「世界に通用するクルマ、ホンダの顔になるクルマを作りたい」という思いから開発が始まったと言われています。“ホンダ=前輪駆動”の図式とは異なる車輌を模索していた本田技術研究所が、MR駆動の開発を始めたことを契機に思いが現実味を帯びてきます。こののMR駆動方式を開発研究していた上原繁氏が、そのままNSXの開発を担当することになりました。上原氏の専門が操縦安定性だったことから、ハンドリングにこだわるスポーツカーを目指すことになります。オールアルミボディーをはじめとする当時の革新的な技術が惜しみなく投入されたのは、日本がバブル期真っ只中だったことに外ならないでしょう。
NSXに与えられた使命は“世界に通用するクルマ”ですから、当然ながら高性能スポーツカーが比較対象になりました。とりわけ“スモールフェラーリ”と呼ばれるフェラーリのV8モデルが具体的なライバルといえるでしょう。“フェラーリ328を越える走行性能”を目指して開発され、データ取りのために何台も328を購入したといわれています。
アイルトン・セナや中嶋悟など、当時ホンダがエンジンを供給していたF1チームのドライバー達がテストに参加しました。彼らからボディー剛性の低さを指摘され、ドイツのニュルブルクリンクでの走行テストを繰り返しました。一般的にニュルブルクリンクでの走行テストは、車両のみを持ち込み走り込むのが主流でしたが、サーキットに程近いミューレンバッハ村にテスト基地を建設しました。その結果、世界初のオールアルミ製軽量高剛性ボディーが生まれたのです。
搭載するエンジンについても多様なアイデアがあったものの、軽量スポーツカーというパッケージング案から、2.0Lの直列4気筒エンジンが採用される予定でした。ところがアメリカ市場へのリサーチなどから、レジェンドに搭載していたV6エンジンをベースにした3.0L(265PS/6,800rpm)エンジンになりました。
そこへ、当時インテグラ用に開発中だった新機構“VTEC”が完成したのです。これまでのようなレース用の特別なエンジンではなく、市販車NAエンジンで“リッター当たり100馬力”の実現を目指し、VTEC化とDOHC化の指示が出ます。DOHC化の弊害でシリンダーヘッドが大きくなりホイールベースの延長が必要になりますが、エンジンを傾斜させることでわずか30mmの延長にとどめられました。
外見の特徴になっている長いリアオーバーハングの理由はふたつあり、ひとつはマフラーをエンジンルームから遠ざけてエンジンルーム内の温度上昇を抑え、エンジン補機類の寿命を延ばすことです。もうひとつは、高速走行時の姿勢安定性の向上を狙ったモノとされています。

NSX I型 E-NA1型

初代NSXは1990年に登場しました。C30A型エンジンを搭載しています。2年後の1992年、通常仕様から快適装備を外して軽量化を図ったピュアスポーツグレードの「タイプR」が追加されました。

1995年3月にマイナーチェンジを受けて、ドライブ・バイ・ワイヤ(DBW)やA/T仕様車にFマチック(ステアリングコラムのスイッチによるマニュアルシフト)が追加されました。オープントップ(タルガトップ)仕様の「タイプT」も登場。

NSX II型 GH-NA2/GH-NA1型

1997年2月、外観上に大きな変更こそないもののM/T仕様車のエンジンが3.2LのC32B型に変更されました。同時にトランスミッションが6速M/Tになっています。M/T仕様に「タイプS」と、従来の「タイプR」に相当する「タイプS-Zero」が追加されました。1999年9月にはエンジンがさらに低公害化されて、平成12年基準排出ガス50%低減の「優-低排出ガス」車に認定されています。

NSX III型 LA-NA2/LA-NA1型

2001年12月、外観を中心にビッグマイナーチェンジが施行されました。空力性能の向上とフロントの重量軽減を目的に、ヘッドライトが固定式に変更されています。このマイナーチェンジから半年後に「タイプR」が復活(「タイプS-Zero」は廃止)しました。2003年10月、平成17年排出ガス規制に適合して形式記号が“LA-NA”から“ABA-NA”に変更されています。

NSXのTYPE-R、NSX-Rとは

紛らわしいのですが、NSX TYPE-RとNSX-Rは別のクルマです。それぞれ生い立ちと特徴を見て見ましょう。

NSX TYPE-R

1992年11月26日に登場したのがNSX TYPE-Rです。標準モデルと同じV型6気筒 DOHC VTEC 3.0L C30A型エンジンながら、クランクシャフトのバランス精度やピストン及びコネクティングロッドの重量精度を向上させることでレスポンスの向上が図られています。遮音材や快適装備の削減、バンパー及びドアビームのアルミ化、エンジンメンテナンスリッドのアルミメッシュ化、レカロ製CFRP製フルバケット電動パワーシート、モモ製ステアリング、チタン製シフトノブ 等が行われて、約120kgの減量に成功しました。サスペンションはサーキット走行を視野に入れたセッティングです。

NSX-R

2002年5月23日に登場したのがNSX-Rです。2001年東京モーターショーで公開された「NSX-Rコンセプト」が元になっています。標準車からの変更項目は基本的にI型と同様ですが、エア・アウトレット付きボンネット、フロント・アンダーカバー、リア・ディフューザー、大型リア・スポイラーを採用して空力性能が向上しています。ボンネットやリア・スポイラーをカーボン素材に変更するなど軽量化も進められました。
このNSX-Rは、量産車として世界で初めてマイナスリフトを実現したクルマです。一般的に、速度が増すとクルマは浮き上がろうとします(プラスリフト)。これを様々な空力パーツで押さえ込むことで高速走行を可能にしています。それまでの量産車では、ゼロリフト(速度を上げても浮き上がらない)は存在したものの、速度が増すと押しつけられるマイナスリフトは存在しませんでした。

NSXの中古車相場は?

初代NSXの中古車は存在するのでしょうか。そんなときは中古車情報サイトを覗いて見ましょう。

標準モデル

日本中で60台が登録されていますね。装備や状態、年式などの要素から価格帯は幅が広いようです。一概に相場というのは難しいかもしれません。最安値は245万円から、1,000万円を超えている車輌もあります。

Type-R

TYPE-Rは1台のみですが、1995年式で1,380万円のプライスが付いています。最終モデルのTYPE-Tもありますね。2002年式で1,490万円のプライスです。

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維持費

高額車輌ですから維持費も気になるところですね。まずは燃費からいきます。意外なことに、初期の3.0Lモデルと後期の3.2Lでは大差がないようです。オーナーさんたちの書き込みによれば、一般道で7~9km/L、高速道路で10~12km/Lとのことです。続いて自動車税。こちらは3.0L以下と3.0L超えですので差が出ますね。NA1モデルは51,000円、NA2モデルは58,000円です。自賠責保険や重量税なども他のクルマと特に代わりはありません。

突発的な出費

ここまででしたら、「普通に乗れるじゃん!」ってなるかもしれませんね。ですが、ここからがスーパーカーの本領発揮なのです。たとえばボディ。オールアルミボディのNSXは、板金作業が大変なのです。加えて部品の供給がままならない状況ですから、普通は交換するところでも修理で対応しなければならないこともあります。一般的なクルマに比べると倍以上の請求になることもあります。消耗品についても同様で、もともと需要が少ないので割高な上に、入手が困難になっていますからさらに高騰しているようです。たとえばウェザーストリップ(ドアについているパッキン)は、左右で15万円もしたという記述もありました。先が思いやられる数字です。デビュー当時はハイスペックだったタイヤは、今となっては一般的なサイズになりました。お値打ちなもので1台分8万円くらいからです。ただ消耗が激しく、リアは10,000kmもたないといった話もあります。

まとめ

日本が世界に誇るスーパーカー、NSXはいかがでしたか。初代モデルはバブル全盛期にデビューしましたから、いわゆる“バブルカー”の印象が強いのですが、ホンダが世界に通用するモデルとして開発しただけあって素晴らしい作り込みがなされています。当時はバブリーなお客様に恵まれていましたので、何度かドライブする機会をいただきました。そして新型NSXは、時代の要求を満たしつつホンダのアイデンティティをしっかりと詰め込んだクルマに仕上がっていますね。いずれも庶民の手の届くモデルではありませんが、いつか機会があれば触れてみたいと思います。