【トヨタ マトリックス】超希少車の魅力とスペックについて一挙公開!

トヨタが米ゼネラル・モーターズと共同開発したのがマトリックスです。2002年から北米のトヨタ工場で製造・販売され、11年間愛されたそれは、オーリスやアクセラなど日本市場でも賑わいを見せるCセグメントハッチバック車です。日本での紹介記事が少ないこともあり、ここにその魅力を余すところなくご紹介したいと思います。

トヨタ マトリックスとは

米名 Toyota Matrix。日本語表記ではマトリックスと書きます。あまり馴染みのない車種名ですが、それは一体なぜでしょうか。答えは明白で、北米専売のトヨタ車だったためです。登場直後は「北米版オーリス」という通り名もついたこのマトリックス。まずはその生い立ちについて、少しだけ歴史を振り返ってみます。

米国主導の共同開発車 トヨタ キャバリエの存在

日米共同開発の車の成り立ちは、1970年代から始まった日米貿易摩擦によるものでした。1980年、アメリカの対日貿易赤字が100億円にのぼり、その打開策に自動車産業がターゲットとなったのがことの始まりです。

その際に輸入されたのが、ゼネラル・モーターズ(以下、GM)から輸入された3代目シボレー キャバリエでした。これをトヨタ キャバリエとして日本国内で販売していました。

全長4,595mmとコンパクトな4ドアおよび2ドアクーペのラインナップでした。今では珍しくない全幅1,735mmのワイドボディは受け入れられにくく、直列4気筒OHVの2.2L~2.4Lの排気量も、日本事情には合わず。アメリカでは成功を収めましたが、日本では販売台数が伸び悩み、この代で販売を終えました。

写真はトヨタ ヴォルツの北米版 ポンティアック ヴァイヴ。
セリカに搭載された、1.8L 直列4気筒DOHCの2ZZ-GE型エンジンに6速MTを組み合わせたスポーツ仕様も存在します。

海外産トヨタ車のあれこれ

上記ポンティアック ヴァイヴは逆輸入され、トヨタ ヴォルツとして販売されましたが、それ以外にトヨタ アバロン(日本名:プロナード)という上級FFサルーンがあります。どれもヒットしたとは言いがたいものでした。

他にも北米で生産・販売されたトヨタ シエナというミニバンがありますが、これも振るわず。
「アメリカ人にとってミニバンを運転するのはカッコ悪い」という風潮は根強く残っており、日本のエスティマやアルファードのようなプレミアム性が存在しないのも原因の一つです。

北米で大成功したのはレクサスブランドを除いては、ランドクルーザー以上の車格を持つトヨタ セコイア、タンドラなどがあります。超ラフロードをこなせる程ではありませんが、ビッグSUVはアメリカならではの人気車種です。

しかし、これとて日本に持ってきても鳴かず飛ばずであるのは言わずもがな。

日本人の食指を動かすのは、米国逆輸入よりも欧州逆輸入ではないでしょうか。「欧州産」と聴けば日本人にとってもブランド的価値が高く「走りが上質」というイメージもあり、アベンシスやオーリスが成功する要因となっているようにも感じます。

トヨタ マトリックスのスペック

ここからは2代続いたマトリックスのスペックについて、画像とともにご紹介します。

2002 - 2008年 初代トヨタ マトリックス(E130W型)

全長4,351mm 全幅 1,775mm 全高 1,539mm
ホイールベース 2,600mm 車両重量 1,215 - 1,335kg
足回りは前:マクファーソンストラット、後:トーションビームで構成されています。

ここに2種類の1.8L 直列4気筒エンジンが搭載されました。
ひとつは126PSの1ZZ-FE型、もうひとつが164PSの高出力版2ZZ-GE型です。
後者はヴォルツ同様、6MTも選べました。

2005年のマイナーチェンジで、デザインのリファインと共に2ZZ-GE型が廃止されました。

ご覧のように、Aピラーを残しそれ以外をブラックアウトされた、6ライトウィンドウのショートワゴンスタイル。

内装はカローラ系と一線を画しています。若年層を狙った前衛的なデザイン。

ラゲッジスペースは汚れを拭き取りやすい樹脂製で、リアシートも分割可倒式になっています。

2008 - 2013年 2代目 トヨタ マトリックス(E150W型)

写真はトップグレード2.4Lエンジン搭載のXRS

全長 4,366 - 4,394mm 全幅 1,755mm 全高 1,549 - 1,560mm
ホイールベース 2,600mm 車両重量 1,250 - 1,320 kg
足回りは変わらず、前:マクファーソンストラット、後:トーションビームです。

エンジンは初代と異なり、1.8L 直列4気筒2ZR-FE型 (132PS)のノーマル仕様と、2.4L 直列4気筒2AZ-FE型(158PS)を搭載したS、XRSに分けられます。特にXRSはリアにダブルウィッシュボーンを採用して乗り味の向上が図られ、これはトヨタ ブレイドと似た構成です。

2代目マトリックスは、オーリスやブレイドにも通ずるハッチバックスタイルになりました。

内装は、初代をさらにブラッシュアップした未来感満載のデザインです。

2代目もアクティブ層をターゲットにしており、ラゲッジスペースは樹脂製を維持。

トヨタ マトリックスに関するWikipedia 日本語版( https://ja.wikipedia.org/wiki/ )にも取り上げられています。リンクは以下ご参照ください。

トヨタ オーリスとの比較

写真は2代目 トヨタ オーリス

2代目マトリックスが2013年でブランド終了となった後、2015年サイオン iMというモデルが販売されました。2016年にはサイオンブランドも終わり、トヨタ カローラ iMと名称変更がありました。

このカローラ iMが、日本名オーリス(2代目)です。
北米ではカローラ iM、豪州ではカローラ ハッチバックという名前が示す通り、カローラと共通の新MCプラットフォームが採用されています。

オーリスのエンジンラインナップは豊富で、1.2L 直噴ターボから1.8L ハイブリッドまで有しています。1.5LのFFモデルは平成27年度燃費基準を達成するなど、環境性能の強化が大きな特徴です。

写真は2代目オーリス 120T RSパッケージの内装です。カローラ然とした内装に高級感をプラス。マトリックスとは全く異なるテイストです。

開口部は広く、サスペンションの突出なども抑えられた2代目オーリスのラゲッジスペース。

清爽なルックスで、樹脂製ラゲッジなどアクティブな用途を訴求したマトリックス、アクが強めのキーンルックデザインを採用するも、内装はフォーマル志向のオーリス。寸法が似通った両車ですが、内装デザインもターゲットも異なるのがよく分かります。

まとめ

いかがだったでしょうか。

日本が誇るトヨタが、日本で販売しなかった車種。それがこのトヨタ マトリックスです。
登場時には「北米版オーリス」とも言われていましたが、その血脈は実際にオーリスへと受け継がれていきました。

そのオーリスが国内にあったことから、マトリックスは日本の中古車市場に出回ることはほぼありません。街中を走っている姿を見れば、流れ星級の希少性です。

マトリクス組織としての今後のトヨタの動向

トヨタ自体、全世界で30万人超の人が働く超巨大企業です。そんな巨大企業が2016年4月、新組織体制に移行しました。

地域別事業を分け、「第1トヨタ」(日本、欧米など先進国担当)と「第2トヨタ」(中国、東亜、中南米など新興国担当)とされました。車種別・技術別の7カンパニーと合わせると合計9つの社内カンパニーが形成されることになりました。

マトリックスとオーリスのように、トヨタは今後も日欧米をまたいだ車種の集中や選択を行っていくことと予測されます。願わくば、日本でも日の目を見られる名車を、世に送り出してもらいたいと、切に願います。