【マツダ BT-50】日米共同のバッジエンジニアリングが生み出したピックアップ

「BT-50」なんていう、なかなかクールな名称の車は、一体どんなクーペだろうか? そんな風に思って見てみたら、なんと立派なピックアップトラックでした。実は、マツダのピックアップには海外向けの長い実績があるのだそうです。

海外で認められたマツダBシリーズがルーツ

日本では販売されなかったものの、かつてのマツダにはプロシードという名の人気ピックアップトラックが存在しました。2006年まで製造されたこのクルマは、諸外国では「Bシリーズ」などと呼ばれて親しまれたのです。

プロシードは、マツダが広島で製造したものをアメリカへ輸出していました。それが1994年に停止した時、その代わりに北米フォードがこのカテゴリーに用意したのが、フォード レンジャーをベースにしたトラックです。そして、2006年にプロシードが完全に生産終了した時には、マツダ ピックアップ BT-50という新しいクルマに引き継がれました。

このBT-50もレンジャーの姉妹車であり、そのままの形でマツダの車名だけを掲げて販売が継続されています。

初代マツダ BT-50(2006年〜2011年)

マツダ BT-50の主戦場は、オーストラリアとタイの市場(タイではMAZDA BT 50 PRO、の車名)、そんなわけで、あらたに生まれたマツダ BT-50のお披露目は、2006年のバンコクモーターショーで行われました。

この世代に用意されたボディスタイルは、2ドアの「シングルキャブ」と「エクステンデッドキャブ」、それに「4ドアのデュアルキャブ」などです。駆動方式はRWDかAWDのどちらかで、AWDは切替式のパートタイム4輪駆動になります。

エンジンは、排気量2.5Lで105kW(143ps)の出力と330N・m(33.7kgf・m)のトルクを発揮するタイプが一つ。さらにもう一つは、3.0Lから115kW(156ps)&380N・m(38.8kgf・m)の性能を出すもので、どちらもフォードの「デュラトルク」と呼ばれるターボディーゼルとなっています。

【諸元表】マツダ BT-50 (MAZDA BT 50)デュアルキャブ 3.0L(2006)

エンジン排気量:2,953cc
エンジン出力:115kW(156ps)/3,200rpm
エンジントルク:380N・m(38.8kgf・m)/1,800rpm
全長:5,170mm
全幅:1,804mm
全高:1,762mm
重量:1,763kg
ホイールベース:3,000mm

2代目マツダ BT-50(2011年以降)

2016年現在の最新BT-50は、2011年のモデルチェンジで誕生しました。そのベースとなったのは、先代と同じくフォード レンジャー。ボディスタイルには、荷台を最大限に確保した「シングルキャブ」と4人乗りにした「フリースタイルキャブ」、さらに4ドア版の「デュアルキャブ」の3種類が用意されています。

駆動方式はRWDかAWDのどちらか、AWDは切替式ですが簡単なボタン操作で行え、走行速度が120km/hでも走行モードの移行が可能になっています。基本となっているプラットフォームは、トラックらしくラダーフレームを使用。その上部には、高張力鋼板で中心部の骨格を支える軽量かつタフなボディが載ります。

また、その車体に取り付けられたサスペンションは、前にウィッシュボーン独立、後ろにはリーフスプリングリジッドとなっています。

エンジンは2種類、どちらもDOHCのターボディーゼルで、コモンレール式直噴。小さい排気量の方は2輪駆動専用で、2.2L直列4気筒から110kW(150ps)の出力と375 N・m(38.2kgf・m)のトルクを発揮。もう一つの3.2Lは直列5気筒のディーゼルで、出力は147kW(200ps)トルクは470N・m(47.9kgf・m)となっています。

ちなみに参考価格としては、「デュアルキャブ XTR 3.2L」のAWD車が、日本円にして約3,770,000円(オーストラリア現地価格)です。

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【諸元表】マツダ BT-50 (MAZDA BT 50)デュアルキャブ XTR(2015)

エンジン排気量:3,198cc
エンジン出力:147kW(200ps)/ 3,000rpm
エンジントルク:470N・m(47.9kgf・m)/1,750 - 2,500rpm
全長:5,365mm
全幅:1,850mm
全高:1,821mm
重量:2,091kg
ホイールベース:3,220mm
サスペンション:ダブルウィッシュボーン式(前)/ リジッド式(後)

希少車種のマツダ車を購入?

もともと日本では売りにくいピックアップトラックで、マツダのブランドから販売といっても中身はフォード車。ということで、結果的に日本国内では非常な希少車両となってしまうのが、このマツダ BT-50です。

現在のマツダのラインアップにも、トラックは完全な商用車しか載っておらず、このBT-50を正規輸入で購入することはできません。そして、仕方なく中古でと思って探しても、簡単にでてこないのがこのクルマのようです。

まぁ、中身はフォード レンジャーと同じですので、北米から取り寄せるという手段もありです。テディオートトレーダーというところが開設している、「アメ車輸入代行.com」には、2010年型フォードレンジャーの情報が出ています。下にリンクを貼っておきますので、ご参考にしてください。

マツダ BT-50のまとめ

構造は、アメリカンなトラックの本質を引き継いでいますが、細部のデザインなどは落ち着いた雰囲気もあり、なんとなくマツダのムードも漂っている感じすらある。それが、海外向け専用のマツダ車、マツダ BT-50です。

中級サイズといっても、全長で5メートルを超え全幅も1.8メートルに達します。やはり、日本で普通に所有するには困難な部分もあるでしょう。

もう少しこの国の社会が発達して、アクティヴなレジャー中心の生活をする人々が増えたときには、こういったモデルも逆輸入されやすくなるかもしれません。それまでは、少しの間だけ我慢ですね……