【ダイハツ ミゼットII】超小型&合理的だけじゃない魅力を持った商用車

クルマも含めた工業デザインの世界は、機能とか効率性だけを重視した味わいのない世界のようにも思えます。しかし、時としてその枠を飛び越えるような造形が生まれるのも面白いところ。たとえば、1996年に発売された「簡素な商用車」であるダイハツ ミゼットIIも、そんなモノの中の一つでしょう。

みんなの街を活性化するダイハツ ミゼットII

今の軽自動車は、燃費効率だけでなく、装備も使用目的も多岐にわたり大変充実しているようです。ただ、どちらかというとルックスが似たり寄ったり……

まぁ、道からはみ出さないという姿勢も良いのですが、もうちょっと個性が欲しいなと思っている人にとっては、このダイハツ ミゼットIIのような一台が最適でしょう。でも残念ながら、これは1996年から2001年の間だけ製造された商用車なんですね。

大胆に機能と装備を削減していたのがこの一台ですが、その代わりに、他に類を見ない個性が光っていた自動車でもあります。その働くクルマのボディスタイルは2種類が存在します。

「ミゼットIIピック」はトラック

もともとダイハツには、1960年代を中心に販売した、3輪車の「ミゼット」がありました。都市部での小口配達用につくられた商用車です。そのイメージを感じさるデザインで新たに設計されたミゼットII、1996年の発売時にまず登場したのが、トラックの荷台をもつ「ピック」というタイプでした。

その乗車定員は変速機との組み合わせで設定され、4速のマニュアル式では1人乗り、3速のオートマチックトランスミッションには2人乗り仕様が選べるようになっています。エンジンは全て、660ccの直列3気筒SOHCに固定ベンチュリータイプのキャブレターを組み合わせたもの。23kW(31ps)の出力に50.0N・m(5.1kgf・m)のトルクを発揮しました。実はこのエンジン、1999年に行われた最後の改良の時に、24kW(33ps)&51.0N・m(5.2kgf・m)へとパワーアップされ、同時に燃費も、初期モデルの15.8km/Lから20.0km/Lへと改善されています。

それとは別に、ミゼットIIの自動車としての魅力の一つには、その駆動方式も挙げられるでしょう。コンパクトな3気筒のエンジンはフロントミッドシップマウントされて、ミッションを介してパワーが後輪へと伝達されるFR方式が採用されているのです。ブレーキは前後ともにドラム式ということで、このあたりは都市部むけ商用車としてのシンプルさが追求されていますね。

登場した当初のグレード構成は、一番上のレベルから3段階の設定。「R」、「D」、そして「B」でしたが、1997年に装備をさらに充実させた「カスタム」が投入されました。

【諸元表】ミゼットIIピックRタイプ(1997年)

型式:V-K100P
エンジン排気量:659cc
エンジン出力:23kW(31ps)/4,900rpm
エンジントルク:50.0N・m(5.1kgf・m)/3,200rpm
全長:2,790mm
全幅:1,295mm
全高:1,650mm
重量:590kg
ホイールベース:1,840mm
サスペンション:マクファーソンストラット式(前)/ リジッド(後)

「ミゼットIIカーゴ」はバン

都市部での小口配達用途専用に設計された、ダイハツ ミゼットII。そのクルマに車室内のユーティリティを追加したのが、「カーゴ」というバンタイプのモデルです。これは、1997年に登場しました。

荷台部分はボディパネルでおおわれ、室内空間は拡大されているミゼットIIカーゴですが、相変わらず搭乗定員は1名(MT仕様)ないしは2名(AT仕様)です。エンジンもトラックタイプとまったく同じ設定ですが、全長で145mm、全幅では40mm、全高では55mm拡大されました。

【諸元表】ミゼットIIカーゴカスタム(1999年)

型式:GD-K100C
エンジン排気量:659cc
エンジン出力:24kW(33ps)/4,900rpm
エンジントルク:51.0N・m(5.2kgf・m)/4,000rpm
全長:2,935mm
全幅:1,335mm
全高:1,705mm
重量:680kg
ホイールベース:1,840mm
サスペンション:マクファーソンストラット式(前)/ リジッド(後)

今でこそ、小さいクルマの個性が光る、乗れるミゼットIIの中古を探す

このダイハツ ミゼットIIも旧車であり、もちろん2016年時点の現在では新車は存在しません。そして、数もさほど売れない特別な商用車でもあります。中古市場に出回っているのでしょうか?

ダイハツは、「U-CATCH」という公式の中古車検索サイトをもっていて、公認の中古車を全国から探せるようにしてくれています。そこを見てみるとありました、1997年登録で走行距離が2.4万KmというミゼットIIカーゴが398、000円です。

また、一般の中古市場には思ったより数が多いようです。安いところでゆくと、1997年登録で走行が8.8万kmのピックが139、000円というのから出ています。一番高いクラスだと、2000年登録の2.9万km走行したという車両が、870,000円ということです。

独特なキュートさをもった風貌が、それなりの人気を持っていることがうかがえますね。下に、公認中古車と公式カタログデータのリンクを張り付けておきます、あわせて購入の検討材料に使ってください。

車両情報や店舗情報などをご紹介!【ダイハツ公式】中古車検索サイト “U-CATCH” では、ダイハツのお店で扱う10,313台以上の中古車が検索できます。クルマ選びのポイントから購入にかかる費用まで、お役立ち情報も満載です!

ミゼットIIのWEBカタログのページです。【ダイハツ公式】中古車検索サイト “U-CATCH” では、ダイハツのお店で扱う10,313台以上の中古車が検索できます。クルマ選びのポイントから購入にかかる費用まで、お役立ち情報も満載です!

改造して楽しむ素材としてのミゼットII

もともとのシンプルさゆえ、おもちゃの自動車にも思えてしまうのがダイハツ ミゼットIIというクルマです。そんなこともあってか、いろいろ手を加えて楽しんでいる方々もいるようです。

「改造申請.com」なんていうディープなウェブサイトもあって、そこにはエンジン&ミッション、サスペンションなどといった大物パーツの乗せ換えなどを含めた、おおがかりな改造を受けたミゼットIIのことが報告されたりしています。また、ミゼットIIの乗車定員変更のための室内改造について書いてあるサイトもみつかりました。

二つのサイトへのリンクを下に貼っておきます。

ダイハツ ミゼットIIのまとめ

最近では、超小型シティーコミューターの存在価値も高まっていますし、電気自動車や自動運転技術も登場してきています。実は今こそ、ダイハツ ミゼットの需要がある時代なのではないでしょうか。

ダイハツは、ミゼットIIIという乗用車のショーモデルを、1995年の東京モーターショーで紹介してもいたそうですが結局市販化は断念しました。どうでしょう……今こそ復活を検討しても良いのではないでしょうかねぇ。