【キャデラック ドゥビル】1950年代の香りが漂うFFフルサイズのセダンは世界初の暗視装置搭載

そのコンセプトといい、サイズ感といい、アメリカ感が全開の大型セダンがキャデラック ドゥビル。でも、その名前の由来には、ちょっぴりヨーロピアンな雰囲気もありませんか? 日本に来たのは比較的最近だけれども、このクルマも歴史と変遷があるモデルなんです。 

間違えないで! デビルじゃないよ、De Villeはフランス語

高級、エレガンス、そんなムードを演出したいなら、自社の製品にフランス語の名前をぜひつけたいっ! なんて考えるのは日本のメーカーだけではないようです。アメリカの高級車ブランドである、あの「キャデラック」にも、同様な思いが感じられたりするのです。

シリーズの始まりは1949年の「Series 62 Coupe de Ville」

ゼネラルモーターズ傘下にあるキャデラックは、1950年代にかけて「シリーズ62」というタウンカーを持っていました。そのグレードの名称としてはじめて使われた「De Ville」が、後に日本にも輸入されるようになるキャデラック ドゥビルのルーツなのです。

ちなみに「De Ville」は、フランス語で街を意味する言葉。キャデラックが最初のショーモデルに使った「Series 62 Coupe de Ville」の語源は、「(シリーズ62)街乗り用の短い車体」といった意味になるそうです。この名称、1959年のモデルチェンジで独立したモデルラインへと格上げされます。

最後のFRドゥビル(1977年)

クラシックカーのお約束として、その駆動方式はほぼFR、もちろん登場以来キャデラック ドゥビルもこの方式を長らく踏襲しました。十分なラグジュアリーを提供するフルサイズセダンのサイズには、運動性能を考えたらそちらの方が適しているとも言えるでしょう。

なのですが、面白いことに、ある時期のキャデラックはこのサイズのFF化を図ります(後述)。その影響で、ドゥビルも1977年登場の第5世代を最後に、後輪駆動車が消滅してゆきます。この頃のドゥビルには、最大で排気量7.0L級のエンジン、出力134kW(183ps)にトルクが433.5N・m(44.2kgf・m)というものが積まれるほど大型化をしていました。

【諸元表】キャデラック クーペ ドゥビル(Cadillac Coupe de Ville)1977年型

エンジン排気量:6,964cc
エンジン出力:134kW(183ps)/4,000rpm
エンジントルク:433.5N・m(44.2kgf・m)/2,000rpm
全長:5,618mm
全幅:1,941mm
全高:1,382mm
重量:1,959kg
ホイールベース:3,086mm
サスペンション:独立懸架(前)/ 車軸式(後)

「新時代(FF)」のキャディラックは1985年に登場

キャディラックがそのカタログに、「Cadillac of Tomorrow」なんて言葉でアピールしていたというのが、1985年に新たに登場したキャデラック ドゥビル。その先進性の理由こそ、前輪駆動化したフルサイズのラグジュアリーセダンというコンセプトです。

快適性を車体の大型化で追求してきた先代から、ホイールベースも全長も短縮し、いわゆるダウンサイズを図ったのがこのモデル。それでも快適性が確保できたのは、FF化の恩恵に他なりません。とはいえ、まだまだ大柄なボディの持主ではあるのですが、先代までのファンの間では、この小型化に不快感を感じた層もいたそうです。キャディラックそんな評判をうけて、後にエクステリアの装飾を変更し、ドゥビルの見た目ののびやかさを演出し直したりしています。

同じ時期に販売されていた、キャデラック エスカレードと車体サイズを比べてみると、全幅で112mmドゥビルが長く、全幅では135mm狭いということになります。ということで、実際にはその時代のフルサイズカ―としては、十分なサイズを持っいてたことになります。

この時、エンジンも小型化されていて、最大の排気量でも4.9L、出力は149kW(203ps)にトルクは373N・m(51.6kgf・m)となっています。それでも、V型8気筒のOHVは踏襲ということで、やっぱりスゴいFF車だったというべきでしょう。また、この世代で2ドアの「Coupe de Villes」の製造(1990年〜1993年)が終了してもいます。

【諸元表】キャデラック セダン ドゥビル(Cadillac Sedan de Ville)1985年型

名称:キャデラック セダン ドゥビル(1985年)
エンジン排気量:4.5L
エンジン出力: 134kW(183ps)/4,300rpm
エンジントルク:332N・m(33.9kgf・m)/3,000rpm
全長:5,222mm
全幅:1,821mm
全高:1,402mm
重量:1,608kg
ホイールベース:2,890mm
サスペンション:ストラット独利懸架(前)/ 独立懸架(後)

日本に投入されたのは2000年型キャデラック ドゥビル

1999年まで製造された「Sedan de Ville」は、実は「キャデラック コンコース」として日本に輸入されていました。

車名の「de Ville」を、ローマ字読みの感覚で読むと「デビル」になってしまい、意味が混乱するので別の名称を与えていたわけです。その名前を、オリジナルに由来するものに変更しなおしたのが、このキャデラック ドゥビルなのです。

駆動方式はやはりFF。その外観は、アメリカンな味をかなり取り去って、世界の市場で高級感を主張できる(というか、ドイツかどこかの車に似た)スタイルに変貌しています。エンジンのレパートリーもかなりシンプルで、排気量4.6Lから205kW(279ps)の出力と407N・m(41.5kgf・m)のトルクを発生するもの一種類だけの設定です。これは、相変わらずV型8気筒ですが、バルブ駆動をDOHCにするなど先進性にも磨きがかけられました

このドゥビルにフィーチャーされた、もう一つの大きなポイントは、世界初の量産型自動車用暗視装置「キャディラック ナイトビジョン(Cadillac Night Vision)」が搭載されたこと。このモデルでは、グリルの内側に搭載された赤外線カメラが前方を捉え、その映像はフロントのウィンドシールドへ投射されるようになっていました。

2005年のマイナーチェンジを機に、かつてこのクルマのグレード名称であった「DTS(DeVille Touring Sedan)」が正式にモデル名となります。これは、1950年代から続いてきた格式ある「de Ville」の呼び名が消滅することを意味しました。

【諸元表】キャデラック ドゥビル 4.6L 2000年型

エンジン排気量:4.6L
エンジン出力:205kW(279ps)/5,600rpm
エンジントルク:407N・m(41.5kgf・m)/4,000rpm
全長:5,263mm
全幅:1,892mm
全高:1,440mm
重量:1,804kg
ホイールベース:2,931mm
サスペンション:マクファーソンストラット式(前)/ セミトレーリングアーム式(後)

アメリカ伝統のセダンを中古車で購入する

日本に入ってきた、いわゆるキャデラック ドゥビル。正規の輸入でもありましたから、意外と中古市場でもみつかりやすいようです。

ざっくり調べると、2000年登録で走行距離が11.6万kmのナイトビジョン装着車が、車検なしの状態なら390,000円なんていう出物もあるようです。走行の少ない方ですと、同じ2000年登録で5.2万Kmのものが800,000円で出ています。

アメリカの雰囲気を満喫できるこの大型セダン。全体としては価格もこなれている、という印象でしょうか。

ちなみに維持費は?

車体の値段はこなれていますが、実際に乗り回すのにはどのくらいの維持費が必要でしょうか?

一般的には、税金および保険が必須の出費となります。4.6Lエンジンで車重が2.0トンまでの区分でしらべると、大体以下のようになりそうです(税金は年額)。

自動車税:88,000円
自動車重量税:45,600円(13年経過として)
自賠責保険:16,350円

これらは必須の維持費です。

キャデラック ドゥビルの故障・メンテ

輸入車としては、やはり乗り始めてからの故障が不安でもあります。

キャデラック ドゥビルが、一度エンジンを止めてから再始動できないという場合、シフトを切り替えるワイヤーが切れて(外れて)いるというケースもあるようです。これは、必要な部品を交換できればすぐに直るトラブルですね。

もうちょっと別の問題では、走行中の振動が原因で、イグニッションキーがOFFの状態へ回ってしまい、エンジンが突如停止するという困った現象もあります。これはリコールされているそうなので、購入前には要チェックですね。

カスタマイズでドゥビルをリフレッシュ!

古いアメ車となると、メンテや修理をかねて、いろいろな部分をリフレッシュしたくもなるでしょう。

そんな時のカスタム用パーツ、今でも複数の業者さんが取り扱っているようです。例えば、「ピックアップス」という業者はアメリカ直輸入のステンレス製グリルなどを販売しています。また、「株式会社アメリッツ」のサイトにもドゥビル用のページが設置されています。他には、「日本カリフォルニアカスタム株式会社」のサイトもパーツ情報があります。

ご所望の部品があるときは、お問い合わせされたらいかがでしょうか。下にリンクを貼っておきます。

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キャデラック ドゥビルのまとめ

1950年代から、アメ車の世界をけん引してきたクルマの一台、それがキャデラック ドゥビル。フルサイズカーながら積極的にFF化したというのも、アメリカンな魅力の一つと言えるのでしょう。

日欧の自動車では、およそ表現できないようなサイズ感があるセダンは、やっぱり魅力ですね。