【日産 V35スカイライン】第3のスカイライン第1弾!北米で大人気を博した新世代スカイライン

大型ボディ、V6エンジン、丸目4灯でないリアコンビ、先代の面影のないフロントマスクとV35スカイラインは、従来のスカイラインの延長上にはない新世代のスカイラインとして誕生しました。名前はスカイラインですが別物とは当時の評判で、その通りでした。洗練された高性能と居住性、プレミアム性は、世界市場でメルセデス C/EクラスやBMW 3/5シリーズと互角に戦えるだけのポテンシャルを持っていました。

V35スカイラインとは?

直6からV6へ!スカイライン、大刷新!

V35スカイライン 4ドアセダン 300GT サイドビュー

11代目となるV35スカイラインは、2001年6月より2006年11月まで製造・販売されました。スカイラインとして初のV型エンジン搭載車となり、パッケージングもR34までのスカイラインから大幅に刷新されました。

ボディタイプはセダン、クーペが設定されました。V35スカイラインではGT-Rは設定されず、本モデルが発売後1年半ほどR34 GT-Rが併売されました。R34 GT-Rの販売終了後、5年の中断期間を経てR35 GT-Rは独立車種として登場します。

「第3のスカイライン」開幕!

スカイラインの歴史は大きく3つに分けられます。プリンス自動車工業時代の初代ALSI型から5代目C210ジャパン・スカイラインまでの「第1のスカイライン」、車型にスカイラインを意味するRを戴く6代目R30ニューマン・スカイラインから10代目R34までの「第2のスカイライン」、そしてVQエンジンを意味するVを車型とする11代目V35からの「第3のスカイライン」です。V35スカイラインは、従来のスカイラインとは一線を画す存在であることを物語っています。

インフィニティG35の日本仕様がV35スカイライン

V35型インフィニティ G35セダン フロントビュー

V35スカイラインから本格的に海外輸出が始まり、北米ではプレミアムブランドのインフィニティで「G35」として販売されました。北米ユーザーの大柄な体型に合わせたパッケージングのため、車体は大型となり走りの軽快さは影を潜めました。しかし低速から高速域まで一般ユーザーが安心して運転できる安定した走行性能は、従来のスカイラインとは次元の違う高性能さを感じさせました。エンジンは前方衝突安全性能の関係からV型エンジンに変更となり、全車NAでした。排気量も2,500ccをボトムに、発表時のトップエンドは3,000ccでした。その後CV35スカイラインクーペに採用された3,500ccに換装されました。

スカイラインのDNAとは?

デザインもスカイラインを想起させる意匠は採用されず、シリーズアイコンであったリア丸目4灯ライトすら前期モデルでは未採用でした。スカイラインを名乗ってはいるものの、従来のスカイラインから継承されたものは「ハコで速い」というコンセプトのみでした。しかしこのコンセプトこそが桜井眞一郎氏がスカイラインに込めたDNAだったのです。

日本国内ではなかなか受け入れられずセダン人気の低迷もあり販売で苦戦しましたが、北米では大好評で、クーペとともに2003年度Motor Trend Car of the yearに選出されました。

GH-V35スカイライン セダン主要諸元

V35スカイライン 4ドアセダン 300GT リアビュー

※モデルは250GTです。

車両型式 GH-V35
駆動方式 FR
乗車定員 5名
車両重量 1,470kg

■車両寸法
全長 4,675mm
全幅 1,750mm
全高 1,470mm
ホイールベース 2,850mm
トレッド(前) 1,510mm
トレッド(後) 1,515mm
最小回転半径 5.3m

■走行メカニズム
変速機 4速AT
ステアリング パワーアシスト付きラック&ピニオン
サスペンション 4輪独立懸架マルチリンク式
ブレーキ 4輪ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ 205/65R16 95S

■エンジンスペック
型式 VQ25DD
種類 V型6気筒DOHC
使用燃料 無鉛プレミアムガソリン
内径 85.0mm
行程 73.3mm
総排気量 2,495cc
圧縮比 11.0
最高出力 215ps/6,400rpm
最大トルク 27.5kg・m/4,400rpm
燃料タンク容量 80L

■燃費
燃料消費率 12.0km/L ※10.15モードによる計測値

CV35スカイラインクーペとは?

GH-V35スカイライン セダンの2by2クーペモデルです

V35型インフィニティ G35クーペ 走行シーン
※日本ではCV35スカイラインクーペとして販売されました。

GH-V35スカイライン セダンの登場から遅れること1年半、2003年1月より2007年10月まで製造・販売されました。セダン同様北米にも輸出され、インフィニティ G35クーペとして高い評価を得て、セダンともに2003年度Motor Trend Car of the yearに選出されました。

外観こそGH-V35スカイライン セダンとの共通性を持たせたデザインですが、実際にはアウターパネルに共用部品はなく全くの別車種と言って良い車です。エンジニアリング的にはZ33フェアレディZと共有化しています。Z33フェアレディZが2シーター専用車となったため、Z32フェアレディZ 2by2モデルの実質的後継車に位置付けられています。

フェアレディZよりも実用性の高いクーペとして、北米での販売は好調でした。しかし日本国内では4ドアのスポーツ車を求める傾向が強まったこともあり、販売的には奮いませんでした。しかしセダンと異なりスカイラインとして開発されたモデルであるため、スカイラインファンにも受け入れられ人気の高いモデルでした。

CV35スカイラインクーペ主要諸元

画像はV35型インフィニティ G35クーペ リアビュー

※モデルは350GT

車両型式 UA-CPV35
駆動方式 FR
乗車定員 4名
車両重量 1,530kg

■車両寸法
全長 4,640mm
全幅 1,815mm
全高 1,395mm
ホイールベース 2,850mm
トレッド(前) 1,535mm
トレッド(後) 1,540mm
最小回転半径 5.7m

■走行メカニズム
変速機 5速AT
ステアリング パワーアシスト付きラック&ピニオン
サスペンション 4輪独立懸架マルチリンク式
ブレーキ 4輪ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ(前) 225/50R17 94V
タイヤサイズ(後) 235/50R17 96V

■エンジンスペック
型式 VQ35DE
種類 V型6気筒DOHC
使用燃料 無鉛プレミアムガソリン
内径 95.5mm
行程 81.4mm
総排気量 3,498cc
圧縮比 10.3
最高出力 280ps/6,200rpm
最大トルク 37.0kg・m/4,800rpm
燃料タンク容量 80L

■燃費
燃料消費率 8.6km/L ※10.15モードによる計測値

V35スカイラインのレビュー・評価

V35スカイラインの口コミ・レビュー・評価は?

満足している点

高速での安定感。長距離でも疲労感が少ない。ブレーキのフィーリング。静かさ。
パワーの割には燃費はいいです。

出典:www.goo-net.com

運転しやすいです。高速道路の運転も楽です。

出典:www.goo-net.com

V35スカイラインの満足している点は自動車として扱いやすい事です。「走る・曲がる・止まる」を突き詰めるために生まれた新世代FMパッケージの恩恵ですね。

不満足な点

ハイオクで6.4km/Lと、ガソリン代が割高な感じ

出典:www.goo-net.com

やっぱデザインでしょうね。

出典:www.goo-net.com

スカイラインのトレードマークのテールランプが丸くないという外観

出典:www.goo-net.com

V35スカイラインの不満点として多くの方が挙げているのがスタイリングです。R34までのエクステリアイメージは微塵もなく、デビュー当初の前期モデルにはリア丸形4灯ランプすら装備していないという点に、多くの方の不満が集まっています。また燃費を挙げる方もいらっしゃいますが、大排気量のオートマ車であることを考えたら仕方のないところです。最大の問題はハイオク仕様でレギュラー仕様の設定がない点で、燃料費が多くかかります。

V35スカイラインのエピソード

開発時は次期スカイラインではなかった!?

V35スカイラインとなったXVL

V35スカイラインは、R34の次期スカイラインとして開発されていないことは有名です。直6と決別しV6を搭載する新世代FR車用シャーシ「FMパッケージ」の第1号として北米インフィニティ向けの新型車として開発されました。基本コンセプトは欧州車を凌駕する高性能で高級・エレガントな4ドアセダンでした。XVLの開発中にR34スカイラインの次期モデルの開発は凍結されており、XVLはあくまでも「スカイライン後継車」として開発されています。1999年に東京モーターショーで初披露したときには、すでにモデル廃止が決定していたローレルやセフィーロの後継車ではないか、と噂されていました。

2001年の販売時、XVLの日本用ネーミングに苦慮しているところにカルロス・ゴーン氏の「スカイラインがあるじゃないか」との鶴の一声でスカイラインのネーミングが与えられ、V35スカイラインとなったのです。

XVL開発年表

V35スカイラインは次期スカイラインとして開発されていないと、前項で書きました。その様子は次の開発史でもわかります。XVLの開発はR34発売よりも早く行われており、開発段階では現場はR34の次のスカイラインとして開発していませんでした。

■1995~96年
●FMパッケージ構想の誕生
※R33スカイライン販売期間

■1997~98年
●FMパッケージ第1号の新Lクラスセダン構想の誕生
 ・スカイライン後継車の開発辞令が下りますが、開発主査のみが知る秘密で開発メンバーには明かさず
●プロジェクトの正式発足
 ・欧州車を凌駕する高級高性能セダンとの具体的なコンセプトが決定
 ・車体サイズが国際的に通用するサイズに決定
●プロジェクトの発足と同時期にR34スカイライン発売開始

■1999年
●ゼロリフトの開発成功
●XVLとして、東京モーターショーに出品
●東京モーターショー出品後に、スカイライン後継車であることを開発メンバーにも明かされる

■2001年
●6月にV35スカイラインとしてXVLの市販開始

後期モデルになって復活した丸目4灯リアコンビ

V35スカイライン後期モデルの丸目4灯リアコンビ
※画像はインフィニティG35セダン 2005年モデルです。

V35スカイラインが従来のスカイラインファンに受け入れられなかった理由として「スカイラインらしくない」が挙げられます。そのスカイラインらしさとは、リア丸目4灯コンビランプです。2001年のデビュー時には未採用のブランドアイコンでしたが、2004年のマイナーチェンジではLEDで丸目4灯を表現しました。

V35スカイラインの中古車事情

V35型インフィニティ G35セダンとG35クーペ
※日本仕様はV35スカイライン 4ドアセダンとCV35スカイラインクーペです。

V35スカイライン 4ドアセダンの中古車相場は良い感じにこなれています。2016年9月現在、中古車サイトに登録されている在庫は115台です。最安値は8万5,000円、10万8,000km走行、平成13年式です。最高値は109万円、3万3,000km走行、平成17年式です。中心価格帯は30万円台です。ボディは大型とはいえ現代では標準的なサイズですし、4ドアセダンなので使い勝手も良いですね。運転もしやすいので免許取り立ての方には、最初の1台としてうってつけでしょう。

CV35スカイラインクーペもセダン同様にこなれた中古車相場です。中古車サイトへの登録台数は102台です。最安値は13万8,000円、11万7,000km走行、平成15年式です。最高値は195万円、7万3,000km走行、平成16年式です。中心価格帯は50万円台です。10年落ちの3,500ccの高級スポーツクーペがこの価格です。自動車に関心のある若者にもぜひ、所有して欲しい1台ですね。

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【まとめ】世界基準のインフィニティスポーツセダン第1弾!

V35型インフィニティ G35セダン フロントビュー
※日本仕様のV35スカイラインとの外観の差は日産とインフィニティのエンブレムです。

V35スカイラインのまとめ、いかがでしたでしょうか。2001年にV35スカイラインがデビューした当初、スカイラインらしくない違和感を覚えた方も多いはず。それもそのはず、元々スカイラインに代わるハコで速い世界基準のセダンとして開発されており、次期スカイラインではなかったからです。しかし日本市場の新車販売台数の減少、セダン需要の低迷、スポーツモデル人気がランエボやインプレッサSTI、GT-Rに集中したこともあり、従来の日本基準のスカイラインの市場は縮小していました。そんな状況下で世界市場をターゲットにしたスポーツセダンの開発は勇気のある決断でした。

結局XVLはスカイラインを名乗り、ブランド存続が決定し現在に至ります。新世代の世界基準のスポーツセダンでありながら、段々とスカイラインっぽさを取り込みスカイラインになってきたV35。従来のスカイラインから大幅に方向転換し、スカイラインの新たな歴史と可能性を切り開いたパイオニアです。