【日産 R31スカイライン】R32GT-R開発の礎・GTS-Rが大人気!

昭和最後のスカイラインにして、名機「RB型」直列6気筒エンジンをはじめて搭載したスカイラインといえばR31型です。登場した1985年は、バブル経済の前夜。現代では考えられない1億総中流社会で、トヨタ マークII・チェイサー・クレスタ3兄弟によるハイソカーブーム真っただ中でした。ハイソカーブームの影響を受けて登場したR31スカイラインは、スポーツサルーンでした。これが酷評につながっていくのでした。

R31スカイラインとは?

7代目スカイラインのことで、ハイソカーブームに乗って登場しました。

R31スカイライン 4ドアハードトップ GTパサージュ ツインカム24V

R31スカイラインとは、1985年8月から1989年4月にかけて日産自動車により製造・販売された7代目スカイラインのことです。通称は「セブンス」「R31(アールサンイチ)」、キャッチコピーは「都市工学スカイライン」です。R31スカイラインでは直列6気筒の搭載エンジンが一新され、永らく搭載されてきたL型から日産最後の直6エンジンであるRB型に変更されました。

搭載エンジンはケンメリGT-Rに搭載されたS20型以来、12年ぶりに復活した直6DOHCのRB20DE、同ターボのRB20DET、SOHC仕様のRB20E、同ターボのRB20ET、SOHCディーゼルのRD28、直4SOHCのCA18Sの6機種でした。

R31スカイライン ステーションワゴン GT パサージュターボ

ボディタイプは発表当初は4ドアセダン、4ドアハートトップでしたが、1986年にワゴンと待望の2ドアクーペが追加されました。

先代のR30型ではコンパクトでパワフルなDR30型RSグレードが人気を博しました。その路線は引き継がれず、当時のトヨタ マークII・チェイサー・クレスタ3兄弟が人気の中心となったハイソカーブームに乗ってしまいました。自らスポーツセダンのキャラクターを手放し、「日産 マークII」と揶揄される車種となってしまいました。従来からのスカイラインファンからは、DR30型RSグレードのキャッチになぞらえ「史上最低のスカイライン」と厳しく批判されました。

待望の2ドアスポーツクーペGTS、誕生!

R31スカイライン 2ドアスポーツクーペ GTS-X ツインカム24Vターボ

1986年5月には、待望の2ドアスポーツクーペ「GTS」シリーズが追加されました。4ドア系のすっかり大人しくジェントルになったフロントマスクとは異なり、先代「鉄仮面」を彷彿とさせるデザインでの登場です。

R31スカイラインの通常グレードに搭載された「RB20DET」型エンジン

搭載される「RB20DET」型ツインカム24Vターボエンジンのタービン部には、軽量のセラミック製を採用。低速から過給をはじめ高速域まで噴けあがる官能性を手に入れました。それはもはや、4ドア系に搭載された同エンジンとは別物の仕上がりでした。

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「その時、精悍」のキャッチコピーとロック調の「エリーゼのために」がハードでかっこいい2ドアスポーツクーペのCMです。CM後半にGTオートスポイラー起動の様子が映されています。

時速70km以上になると自動的にせり出す「GTオートスポイラー」と名付けられたチンスポイラーは、日本初の装備でした。時速50km以下で自動的に格納され、固定でせり出したままにしておくこともできました。

4ドア系で失われたスポーツ性を満載した2ドアスポーツクーペの復活に、当時のファンは大喝采でした。

まだだ!まだ名乗らせん!「GTS-R」の誕生

R31スカイライン 2ドアスポーツクーペ GTS-R

1987年にマイナーチェンジが行われ、4ドア系は2ドア系のフロントマスクの意匠を取り入れました。2ドア系では当時のグループAのホモロゲーションモデルが限定800台で生産されました。
主な変更点はターボエンジンのタービンの大型化、エキパイ追加、GTオートスポイラーを固定化、前後スポイラーの大型化などでした。最高出力はハイオク仕様でネット210PSに到達しました。

GTS-Rに搭載された「RB20DET-R」型エンジン。レース用車両のエンジンでもあり、市販バージョンでもライトチューニングで400PSオーバーの名機です。

直6DOHC、レース車両ということでスカイラインファンなら誰もが「GT-R」の復活を望んでいたのですが、与えられた名称は「GTS-R」でした。あくまで2ドアスポーツクーペのレース仕様という位置づけで、GT-Rの称号は与えられませんでした。GTS-Rのレース活動は後のGT-R開発のためのデータ収集という側面も持っていました。

当時の日産開発陣は、「この程度ではまだ、GT-Rと名乗らせるわけにはいかない」とコメントしていました。当時の日産が考えていたGT-Rの理想の高さは、R32型で姿を現すこととなります。

R31スカイラインのカタログスペック

スカイライン 4ドアハードトップ GTツインカム24Vターボ パサージュ

R31スカイライン 4ドアハードトップの運転席回り

車両型式 KRR31
駆動方式 FR
乗車定員 5名
車両重量 1,350kg

車両寸法

全長 4,650mm
全幅 1,690mm
全高 1,385mm
ホイールベース 2,615mm
トレッド(前) 1,425mm
トレッド(後) 1,420mm

走行メカニズム

変速機 4速AT
ステアリング ワーアシスト付ラック&ピニオン式
サスペンション(前) ストラット
サスペンション(後) セミトレーリングアーム
ブレーキ 4輪ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ 215/60R 15

エンジンスペック

型式 RB20DET
種類 直列6気筒DOHCターボ
内径 78.0mm
行程 69.7mm
総排気量 1,998cc
最高出力(グロス) 210ps/6,400rpm
最大トルク(グロス) 25.0kg・m/3,600rpm
仕様燃料 無鉛レギュラーガソリン
燃料タンク容量 65L

スカイライン2ドアスポーツクーペ GTS-R

GTS-Rのフロントシート回り

車両型式 HR31
駆動方式 FR
乗車定員 5名
車両重量 1,340kg

車両寸法

全長 4,660mm
全幅 1,690mm
全高 1,365mm
ホイールベース 2,615mm
トレッド(前) 1,425mm
トレッド(後) 1,420mm
最低地上高 140mm

室内寸法

全長 1,825mm
全幅 1,410mm
全高 1,135mm

走行メカニズム

変速機 5速MT
ステアリング パワーアシスト付ラック&ピニオン式
サスペンション(前) ストラット
サスペンション(後) セミトレーリングアーム
ブレーキ 4輪ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ 215/60R 15

エンジンスペック

型式 RB20DET-R
種類 直列6気筒DOHCターボ
使用燃料 無鉛ハイオクガソリン
内径 78.0mm
行程 69.7mm
総排気量 1,998cc
圧縮比 8.5
最高出力(ネット) 210ps/6,400rpm
最大トルク(ネット) 25.0kg・m/4,800rpm
燃料タンク容量 63L

【R31house】R31スカイライン専門メーカー!

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R31型スカイラインはデビューが1985年、GTS-Rでも1987年とおよそ30年も昔のクルマです。経年劣化や使われ方によっては、とても極上のコンディションの中古車を探すのは至難の業…と思いきや、世界で唯一のR31専門メーカーが手掛けた中古車なら、上の画像のような極上品ばかりです。そのメーカーが「R31house」です。

えっ? メーカー? チューニングショップとか中古車屋さんじゃないの?

はい、違います。メーカーです。もちろんチューニングも手掛けますし、中古車の販売もします。車両の整備点検、修理も行ってくれます。町の修理工場屋さんと違うのは、もはや日産自動車で残っていない30年も昔のR31スカイラインの部品を制作してくれることです。なのでR31houseはメーカーを謳っているのです。

R31houseでは、常に最上のコンディションでR31スカイラインにお乗りいただけるよう整備点検、大掛かりなレストアやエンジンのオーバーホールも手掛けます。
R31houseではR31型スカイラインをメインに扱っていますが、他車両、他メーカーなど多彩な車種にも対応してくれます。またその技術はレース界で培ったホンモノ。折り紙つきです。

レーシングカーを作ることができれば、チューニングカーは普通に作れる。

とのことです。

1987年に発表されたGTS-Rは800台限定、現存する車両は400台とのこと。その400台のほとんどにR31houseが関わっているのだとか。R31houseのバックヤードには信じられないほど大量のGTS-Rがストックされています。
ストック車両をベースにチューニングを手掛け、オーナーの嗜好に合う1台に仕上げてくれるそうです。おすすめのチューニングは、長く乗るためにRB20DET-Rのパワーを30%アップさせ、排気系チューニングに注力し、心地よく官能的なエキゾーストノートを響かせることだそうです。

これからGTS-R購入をご希望の方は、一度R31houseにご相談になってみるとよいでしょう。現代のクルマではなかなか味わえない官能さやスポーツカーの味を楽しめることと思います。

R31house

R31型スカイラインの中古車は残っているのか?

30年も昔の車両であるR31型スカイライン。中古車事情は果たして?

2016年7月現在、R31スカイラインの中古車はGoo-netでは30台ほど登録されていました。価格は、30年前の車両としては高値安定と言って良いでしょう。最安値は4ドアハードトップで58万円(1988年式、6.0万km)、最高額はワゴンで297万円(1987年式、走行距離不明)でした。もっとも最高値のワゴンは前述のR31houseのコンプリートカーです。エンジンはノーマルから第2世代GT-R用のRB26DETTに換装されています。デモカーとして制作した車両なので、状態はほぼ新品と言って良い内容です。ファンには堪りませんね!

肝心の2ドアスポーツクーペはといえば、最安値でGTS-X ツインカム24Vターボで84万円(1989年式、16万km)、最高額ではGTS-Rで269万円(1987年式、13.1万km)です。ステアリングやシフトノブなどは社外品に変更になっていますが、オプションだった純正サイズのBBSホイールを装着。シートもノーマルのまま。エンジンの手入れもしっかりとなされているようで、タイミングベルトは交換済み。チューニングもされていません。ノーマルのGTS-Rをお探しの方には、うってつけの1台ですね。

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【まとめ】昭和最後のスカイラインは2ドア人気高し!

R31スカイライン 2ドアスポーツクーペ GTS-R サイドビュー

R31スカイラインのまとめ、いかがでしたでしょうか。スカイラインは「羊の皮を被った狼」と称されます。本来は普通の4ドアセダンに高性能エンジンを搭載した2代目スカイラインGT-BやハコスカGT-R前期型を指した言葉でした。しかし、スカイラインがレースから遠ざかると、その後4ドアボディに高性能エンジンを搭載しても、「羊の皮を被った狼」のイメージにはほど遠く「羊」のままだったように思います。
ケンメリ以降、スカイラインの「狼」の部分を担当するのは、高性能エンジンを搭載したスポーティーな2ドアボディです。R30でもDR30型RSグレードの2ドアが人気でした。R31型4ドアボディではDR30型に搭載されたFJ20ET ターボC以上の高性能エンジンを搭載しても、デビュー当初は酷評だらけでした。

2ドアスポーツクーペのGTSが登場してからはR31型も人気が回復し、4ドアにもクーペのようなフロントマスクとクーペ専用グレードであった「GTS」が設定され、拡販に努めました。それだけ当時の2ドアクーペ人気が高かったのです。

ただ4ドアと2ドアでディメンションはほとんど変わらず、全長が2ドアで10mm長く、全高が20mm低いだけです。ホイールベースも前後トレッドも変更はありません。それでもスポーツイメージを持たせた日産自動車の製品開発手腕は卓越していたと言えます。