【メルセデスベンツ アクトロス】国内販売されていないトラックを選ぶ?選ばない?

アクトロスは現在日本で販売されておらず、ディーラーさんにお願いして輸入に頼る他ありません。問題は、輸入をしてまで購入する価値があるか否かです。以下ではアクトロスの概要と来歴、ラインナップ、特徴などを分析し、アクトロスの選択が「あり」か「なし」かについて考えてみたいと思います。

メルセデス・ベンツ アクトロスとは

トラクタートラック

メルセデス・ベンツ アクトロス(Mercedes-Benz ACTROS)は、ダイムラー社がメルセデス・ベンツブランドで展開する大型トラクタートラックです。トラクター(tractor)はラテン語「trahere」(引く)に由来を持つ言語で、自律的に推進できないものを牽引したり、自律的に推進できないもの等に動力を供給したりする装置のことを指します。したがって、トラクターとは被牽引車を引っ張る牽引車の事を指します。とりわけアクトロスはトラクタートラック(ロード・トラクター)に分類されます。これは大きなエンジンといくつかの車軸を備えた車のことで、トレーラーヘッドと呼ばれることもあります。この種のトラックは貨物輸送のためのトレーラーを、長距離にわたって牽引出来るように設計されています。

力強いエンジンと安全性に貢献する視認性

アクトロスはSKシリーズの後継モデルとして生産されたトラクタートラックで、エンジンはターボ過給のV型6気筒またはV型8気筒を搭載しています。国内メーカーの同タイプのトラクタートラックとは異なり、トランスミッションは機械式の16段ATを搭載しています。 テールランプはメルセデス独特の凹凸のあるタイプであり、泥はねなどがあっても一定の視認性を確保する工夫が施されています。ドア部にある4桁の数字は「車両総重量・エンジンの最大出力」を現したものであり、「2535」なら「車両総重量25トン・エンジンの最大出力350馬力」であることを示しています。

モデルチェンジの歴史

(左から)New Actros From2011, Actros3 From2008, Actros2 From2003, Actros1 From1996

アクトロスは1996年秋、ヨーロッパで発表され、発売が開始されました。このモデル(MP1)が日本に上陸したのは、ヨーロッパでの発売から遅れること2年経った1998年5月のことでした。発売開始から7年経った2003年にマイナーチェンジが行われ、MP2へと進化を遂げました。残念ながら2006年、日本での販売は終了しました。ダイムラー社はアクトロスを2008年にフルモデルチェンジし、販売が続いていたヨーロッパで発表しました(MP3)。そして2011年、エクステリアのみならずインテリアも大幅に刷新するフルモデルチェンジを再度実施し、MP4の発売が開始されました。

アクトロスの新型ラインナップ

現在、アクトロスの主要なラインナップは2つあります。一つは積載量を重視した軽量化仕様「ローダー」シリーズです。もう一つは、積載容積を重視した低床仕様「ボリューマー」です。

アクトロス「ローダー」

「ローダー」(1840LS)のクラシックスペースキャブは、4番目にルーフが高い(2番目にルーフが低いともいう)キャブで3種のバリエーションがあり、その中で最もキャブフロアが低いモデルがアントス顔になります。幅は2.3mのみで、ストリームスペースキャブも、キャブフロアが最も低いモデルはアントス顔です。エンジンはOM470型の394hp仕様を搭載しています。
一方、「ローダー」(1843LS)のストリームスペースキャブはルーフが3番目に高いキャブで、さらに4種のバリエーションがあります。エンジンは新設のOM470型・426hp仕様を搭載し、軽量ガラスやアルミ製ステップブラケット、リヤアクスル支持架の見直しなど、各部の軽量化が進められ、進化を遂げています。

アクトロス「ボリューマー」

ボリューマーは「315/45R22.5」という超偏平サイズのスーパーワイドシングルタイヤを駆動輪に装着しています。エンジンはOM471型の476hp仕様を搭載し、990Lも入る特大の燃料タンクも装備しています。第5輪カプラの地上高880mmというのは、ダイムラーによると「史上最低」だということです。スペシャルなスペックを持ちながら、エンジン出力、キャブ、最終減速比など様々なバリエーションを設定されていて、顧客仕様の一台が見つかる販売戦略を採用しています。

アクトロスの価格

アクトロスは現在国内販売されていません。したがって、現在アクトロスを購入するとすれば、海外から輸入することになりますので、為替相場の影響や運搬費用の上乗せなどがあります。そのため、正確な価格を算出することが難しくなっています。
参考までに過去、日本でアクトロスが販売されていた時の価格例をご紹介しておきます(当時のラインナップに従って価格を表記していますので、今そのまま当てはめられるわけではありませんのでご注意下さい)。セミトラクタタイプは1,366~1,881万円、カーゴタイプが1,364~1,404万円、フルトラクタタイプが1,456~1,605万円、ダンプタイプが1,172~1,252万円、オートローダータイプが1,332~1,442万円で販売されていました。

おわりに

アクトロスは現在日本で販売されておらず、ディーラーさんにお願いして輸入に頼る他ありません。問題は、輸入をしてまで購入する価値があるか否かです。国内メーカーが販売する同型のトラクタートラックと単純に比較をすると、アクトロスは割高なように見えます。しかし、アクトロスが備えた最新の装備機能の価値を見落とさないで下さい。国内産のトラクタートラックで同じ装備をしようと思ったら、オプションでそれらを装備する必要があります。トータルコストで見た場合、アクトロスはそれほど割高ではないと理解することもできるのです。ランニングコストや、ネームバリュー、ブランド価値を総合的に勘案しても、アクトロスの選択は十分に「あり」だと言えるでしょう。