【ベントレー アズール】贅沢の極み、超高級なオープンカーは中古車なら手が届く?

今でもハンドメイドのように高級車を作り続けるベントレー。この会社には、周囲の自動車業界に迎合しない、特別な価値観があるようです。そんなベントレーの高級車に、大空の解放感というさらなる贅沢を追加したのが、このベントレー アズールなのです。

贅をつくした4人乗りのオープンカーのベントレー アズール

「アズール(azure)」。空色と名付けられたベントレーの一台は、搭乗する人にいかなる妥協を強いることもない、贅沢な解放感を与えるオープンカーです。

コンチネンタル Rをベースにした初代アズール(1995年~2003年)

ウォルター・オーウェン・ベントレーにより、1919年に創立して以来、ベントレー社は高級車のみにこだわるメーカーとして存在しています。そして、1930年代からは、もう一つの高級車メーカー、ロールス・ロイスの子会社となっていました。

そのグループの中で、スポーツ系モデルなどを担当していたベントレーが、1995年に発表した4座席のオープンカー、それがベントレー アズールです。先駆けて発売していた、ベントレー コンチネンタル Rの屋根部分を切り取って、ソフトトップに交換したのがこの一台。

2年間を要したという車体の再設計には、ピニンファリーナが深く関与。同時に、電動のソフトトップ部分の製造も、同社が協力しています。完璧な高級車でなければならないベントレーは、大人4人が乗り合わせるに十分な体格を、このアズールに与えました。オープン化にともないボディやフロアの補強などをしたため、車体重量は2.6トンとかなりの重さになっています。とはいえ、アメリカのフルサイズカーならばよく見かけそうな重量ですね。

搭載されるエンジンは、ミュルザンヌ (1980年から1992年)やブルックランズといった、関連車種と同じ形式。ロールス・ロイス製の排気量6.75L、V型8気筒OHVを、ギャレット製インタークーラーターボで過給して、287kW(390ps)の出力と750N・m(76.5kgf・m)のトルクを発生するものです。そのパワーは、4速のオートマチックトランスミッションを介して、FRの駆動輪へと伝達されます。

停止状態から時速60マイルまでの加速は6.1秒、最高時速は240kmを超えるという性能も、アズールのように大柄かつ空力も制限された車としては十分なものです。この世代のベントレー アズールは、トータルで1,403台が製造・出荷されました。日本国内での新車販売価格は、ベースモデルで4,6980,000円だったということです。

【諸元表】ベントレー アズール(Bentley Azure)初代

名称:ベントレー アズール(Bentley Azure)初代
エンジン排気量:6750cc
エンジン出力:287kW(390ps)/4,000rpm
エンジントルク:750N・m(76.5kgf・m)/2,000rpm
全長:5,347mm
全幅:1,938mm
全高:1,476mm
重量:2,608kg
ホイールベース:3,061mm
サスペンション:ダブルウィッシュボーン式(前)/ セミトレーリングアーム式(後)

VWにより新しくラインアップされた2代目アズール(2006年~2009年)

ベントレーの経営権は、1998年にフォルクスワーゲン(VW)によって買収され、新しい体制に切り替わりました。そして、この新しい経営陣がさっそく決定した事項の中に、2003年までのアズールの生産継続というのがありました

2006年、待望の第2世代ベントレー アズールが発表、3年のブランクを超えての復活です。このモデルは、4ドアセダンのベントレー アルナージからプラットフォームを利用して設計されています。オープン化にともなう剛性ダウンは、ボディー下に取り付けられた、2つのカーボン製補強材で補われています。

もともとアルナージは、BMW製のV型8気筒4.4Lエンジンを想定して作られていました。アズールではそれを、伝統のロールス・ロイス製にスイッチ。6.75LのV型8気筒OHVに組み合わされる過給装置は、シングルターボからツィンターボに改良されています。これにより、いわゆるターボラグも短縮、出力は336kW(456ps)でトルクは875N・m(89.2kgf・m)へとアップしました。

この改良により、新型アズールは停車状態から時速60マイルまでの加速を5.6秒、最高時速は270kmに到達する性能を獲得しました。しかしその反面、ハイウェイでも6.2km/L程度という燃費は、当時のアメリカ合衆国エネルギー省から、もっとも燃費の悪いクルマとして指名されてしまいました。

【諸元表】ベントレー アズール(Bentley Azure)2代目

名称:ベントレー アズール(Bentley Azure)2代目
エンジン出力:336kW(456ps)/4,100rpm
エンジントルク:875N・m(89.2kgf・m)/3,250rpm
全長:5,411mm
全幅:1,900mm
全高:1,486mm
重量:2,695kg
ホイールベース:3,116mm
サスペンション:ダブルウィッシュボーン式(前)/ ダブルウィッシュボーン式(後)

パフォーマンスを追加し登場のアズールT(2009年~2010年)

2009年に、ベントレー アズールの高性能バージョンとして、アズールTが発表されました。エンジンの排気量および形式は、ノーマルと同様で6.75LのV型8気筒OHV。しかし、チューンされたそれは、出力373kW(507ps)でトルクは1000N・m(102kgf・m)という強烈な性能を発揮します。

このパワーによって、停車状態から時速60マイルまでの加速は5.1秒、最高時速は288kmという性能を手にしたのが、このアズールTです。

ベントレー アズールを中古車で探す

もともと、超がつくほどの高級車、それがベントレーです。仮に中古車であったとしても、その高い気品は曇ることもないでしょう。

そして、ざっくりと調べるだけで、意外に複数台の中古ベントレー アズールが見つかるのも驚きです。たとえば、1996年登録の初代アズールが、走行距離4.6万kmの車体で価格が10,000,000円です。

値段がもうちょっと張る車体だと、2007年登録の2代目が、走行距離2.3万kmというもので18、900、000円になります。

基本的に、どの車体もガレージ保管だと思ってよいでしょうから、意外に買い得なのかもしれませんが、さすがのお値段ですね。

ベントレー アズールのまとめ

もともと、超セレブ自動車であるベントレーなんて、触れるチャンスはほとんどないクルマです。

そんな高級車なればこそ、そこに含まれる余剰な要素に、新たな付加価値が生まれるとも言えます。そう考えると、自動車としてはかならずしも合理的ではないオープントップをもつベントレー アズール、これこそ贅沢の極みなのです。

一度は乗ってみたいと言っても、どこでお目にかかれるでしょうか? ウェディングのクライマックスで、新郎新婦が空き缶を引きずってハネムーンへ旅立つ時とかですかねぇ……