【いすゞ エルガ】2015年に初めてフルモデルチェンジ!新車価格やライバル車との違いは!?

年々厳しくなる環境性能に応えるように進化を続け、2015年にフルモデルチェンジを実地した、いすゞ エルガ。新車価格やライバル エアロスターとの比較も交えつつ、その進化の軌跡を追っていこうと思います!

2015年に初めてフルモデルチェンジした、いすゞ エルガってどんな車?

初代 エルガ(2000年~2015年)

平成11年の排出ガス規制を受け、いすゞの大型路線バス キュービックの後継車種として2000年にデビューしたのが初代エルガです。排出ガス規制への対応に掛かる多大なコストを削減するため、この初代エルガからは製造を日野自動車といすゞが合同出資して設立した「ジェイ バス」で製造し、いすゞへはエルガ、日野自動車ではブルーリボンとして供給されることになりました。

デザイン面ではキュービックの特徴だった左右の台形固定窓が廃止され、左右の側面にまで歪曲したコの字型の一枚窓を採用しました。こういった変更もありエルガは四角い箱の角だけを丸くしたようなボディをしています。

ワンステップ・ツーステップ・ノンステップのボディを基本とし、路線バスだけでなく自家用車向けの車両も製造されました。エンジンはキュービックにも搭載されていた最大285PSを発生する8PE1型V8エンジンが引き続き採用されています。サスペンションはエアサスが標準でリーフサスがオプションとなっています。

2代目 エルガ(2015年~2016年)

出典:http://www.isuzu.co.jp/product/bus/erga_rt/index.html

さらなる環境性能が求められる時代背景から、2015年にエルガは2代目へフルモデルチェンジされました。デザイン面は角の丸みが少なくなり、さらに四角い印象のボディとなりました。車イスなどを使用する場面も増えてきていることから、ワンステップ・ツーステップモデルが廃止され、ノンステップモデル単独のラインナップとなっています。

拡大されたノンステップエリアや改良された車イス固定装置など様々な変更が評価され、2015年にグッドデザイン賞を受賞しています。

環境性能を主眼に置かれて開発された2代目エルガ最大の特徴は、なんといっても搭載するエンジンです。2ステージターボを搭載した4HK1-TCS型5.2L直4エンジンは、AMT(自動変速式マニュアルトランスミッション)と組み合わせることで、14t以上のボディで平成27年燃費基準より+10%の燃費性能を達成しています。

10t近くなる重量など、いすゞエルガのカタログスペック

2代目 エルガ【主要諸元】

車両型式:QKG-LV290N1

ボディサイズ
全長:10,430mm
全幅:2,485mm
全高:3,045mm
ホイールベース:5,300mm
最低地上高:130mm
最小回転半径:8.3m

車両重量:9,260kg
車両総重量:13,605kg

乗車定員:79人
重量車モード燃費:5.2km/L

エンジン
エンジン型式:4HK1-TCS
種類:直列4気筒OHC直接噴射式ディーゼル
総排気量:5,193cc
最高出力:184kW(250PS)/2,400rpm
最大トルク:735N・m(75kgf・m)/1,600rpm~2,300rpm
燃料タンク:160L

時代のニーズに対応する環境仕様車、エルガ ハイブリッド

出典:http://www.isuzu.co.jp/product/bus/erga_hb/economical.html

2012年、初代エルガにハイブリッドエンジンを搭載した「エルガ ハイブリッド」がデビューしました。いすゞの開発した6HK1-TCCディーゼルエンジンに、日野自動車のブルーリボンハイブリッドにも採用されるパラレルハイブリッドシステムを組み合わせ、平成27年度重量車燃費基準から約16パーセント燃費性能を向上させることに成功しています。

この車なくしてエルガは語れません、いすゞ キュービック

1984年から後継車種であるエルガが登場する2000年まで製造・販売されていた、いすゞの大型路線バスがキュービックです。フロント全面の一枚窓や運転席の左右に設けられた台形の固定窓による、日本車離れしたスタイリングが特徴です。この独特のデザインはフランスのルノー トラックを参考にしたと言われています。

個性的なだけでなく、見切りが良く運転しやすいとドライバーに好評だったこのデザインは外見の美しさと機能性が見事に調和したデザインとして、高い評価を受けていました。

新型いすゞ エルガの気になる新車価格

あと一歩で新築戸建てに手が届く! 路線バスの新車価格はやはり高い

車体や装備を考えれば当然かもしれませんが、家やマンションが変えてしまう金額ですね。やはり路線バスは高額です。2015年8月発売時の希望小売価格は以下の通りなのですが、販売される地区により希望小売価格は変動しますので、あくまでも目安として考えてください。今回掲載しているのは東京地区における希望小売価格になります。

QRG-LV290N1 4HK1-TCS 6速AMT 24,166,000円(税抜き)

QPG-LV290N1 4HK1-TCS 6速AT 25,146,000円(税抜き)

エルガ ハイブリッドの新車価格、価格の差は燃料費以上か?

こちらは2015年1月に一部改良して販売された時の、東京地区における希望小売価格です。ハイブリッドを搭載していない仕様に比べると約400万円高い価格設定になっています。割高にも感じる価格ですが、排出ガス基準への適合などを考えると、路線バスの主流はこちらのハイブリッドに移っていくのかもしれません。

QQG-LV234L3 6HK1-TCC 6速AMT 28,999,000円(税抜き)

ちょっと路線を変更して、いすゞエルガのラジコンなんていかがでしょう?

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いすゞの誇る大型路線バス エルガが、なんとラジコンで販売されていました。過去形なのはすでに販売が終了しているからなのですが、amazonなどで中古品や新品を2016年6月現在購入できます。

動画を見ていただければいいのですが、非常に良くできています。走行中はヘッドライトは点灯し、右左折すればウィンカーが点滅します。自動ドアは本当に自動で開きますし、バスアナウンスまで流れます。

バージョンの違いによってアナウンスの内容まで変わるというマニアにはたまらないラジコンです、バスオタの方にはたまらない商品じゃないでしょうか?

スカイネット 1/32 RC バス No.02 大阪市交通局 いすゞ エルガ (路線)

¥69,800

販売サイトへ

日野自動車といすゞは強力タッグを組んでいた!

いすゞと日野自動車は持ち分比率50パーセントずつの合同出資子会社「ジェイ バス」を設立し、初代エルガはそこで開発をされました。それまでライバル企業同士と思われていた両社が急遽歩み寄ったこの出来事は車業界でも大きく取り上げられました。

いすゞの開発したディーゼルエンジン「D-CORE」と日野自動車がトヨタ自動車と共同開発したパラレル式ハイブリッドシステムを組み合わせるなど、両車の技術を組み合わせた車両開発が盛んに行われています。

【日野 ブルーリボンII】ジェイ バスから供給されるエルガの姉妹車

1951年から2000年まで日野自動車が自社開発する形で大型バスブルーリボンは販売され続けていましたが、ジェイバスから開発・製造されたいすゞエルガが日野自動車でも大型バスとして供給され、ブルーリボンからブルーリボンIIへとフルモデルチェンジされました。細かな仕様の違いなどは見られるものの、基本的には同一車種となっており、特にエンジンやボディの形状などはエルガと変わりありません。

【2代目 日野 ブルーリボン】なぜかIIがとれた後継車

出典:http://www.hino.co.jp/blueribbon/

2015年、エルガのフルモデルチェンジを受けブルーリボンIIは廃止となり、2代目ブルーリボンが新たに販売されることとなりました。名称は変更されましたがこちらもジェイ バスが製造する2代目エルガの供給を受けているため、実質ブルーリボンIIがフルモデルチェンジしたモデルとなっています。

【いすゞ エルガJ】ジェイ バス発足以前からOEM供給を受けていました

エルガの発売以前に日野自動車からOEM供給を受ける形で販売された、ノンステップ仕様の中型バスがいすゞエルガJです。日野自動車の中型バスであるレインボーの、さらにノンステップ専用モデルであるHR系をいすゞへOEM供給される形で販売されていました。いすゞと日野自動車のバス製造事業統合により、製造会社をジェイ バスに移管しています。

【三菱ふそう エアロスター】エルガ最大のライバル、その違いとは?

国産大型バスの2トップ、エアロスターとエルガの違いとは?

出典:http://www.mitsubishi-fuso.com/jp/lineup/bus/aero_star/14/lineup/nonstep.html

日野自動車といすゞが合同出資会社ジェイ バスにバス事業を統合したことにより、いすゞエルガの唯一にして最大のライバルとなったのが、三菱ふそうから販売される大型バス エアロスターです。1950年からフルモデルチェンジやマイナーチェンジを繰り返し、様々な仕様の車種を販売しながら、1996年に2代目となったエアロスターが現在も販売され続けています。

方式が大きく異なるエアロスターのハイブリッド

出典:http://www.hino.co.jp/blueribbon/hybrid/index.html

エアロスターはエルガと同様に環境性能の向上に力を入れていて、エルガ・ブルーリボンとは異なるシリーズ式ハイブリッド機構を搭載したエアロスターHEVを開発しています。シリーズ式ハイブリッドはエンジンを発電機としてのみ使用し、走行を電気モーター単独で行う方式で、乗用車では三菱のアウトランダーPHEVやBMW i3レンジエクステンダーなどで採用されています。

車の駆動を電気モーター単独で行い、EVの弱点である航続距離を従来のエンジンで発電することで補うのがシリーズ式ハイブリッドの特徴で、これを搭載するエアロスター ハイブリッドはプリウスのようなハイブリッドカーよりも、リーフのようなEVに近い車と言えます。より高性能なバッテリーの開発ができればエンジンに頼らずに実用的な航続距離を実現できますので、将来的にEVへと発展していくことも考えられます。

まとめ:いすゞ エルガという車は、大型バス開発の厳しい現実を物語っています

ライバル関係として、特にトラックの分野で大いにしのぎを削っている、いすゞと日野自動車がまさかのタッグを組み、合同出資会社まで設立してバスを開発しているという事実は、大型バスの開発がいかに厳しい物かを物語っています。

キュービックから初代エルガ、初代エルガから2代目エルガへのモデルチェンジのきっかけは、どんどん対応を迫られる排出ガス規制などへの対応が大きな要因となっています。エルガだけでなくブルーリボンも、三菱ふそう エアロスターも、販売期間中に乗用車では考えられないほど多岐にわたるマイナーチェンジや小変更を繰り返し、時代が求める環境性能への対応を余儀なくされてきたのです。

求められる環境性能が年々これだけ引き上げられ続ければ、それを追いかける自動車メーカーの開発費は当然ながら莫大なものとなるでしょう。三菱自動車が燃費偽装をした背景には、自動車の研究開発費が他メーカーに比べて遙かに少なかったことが要因の一つと言われています。これから自動車メーカーが生き残っていくためには、環境性能への対応が一つのキーワードになっていくと、エルガからはそう感じられました。