いすゞ フォワードのスペックから気になる新車価格や中古車情報まで!

戦後から現代まで販売され続けるいすゞの中型トラックがフォワードです。様々なニーズや日本を取り巻く状況に翻弄されながらも着実に進化を続けてきたフォワードに、今日は迫ってみようと思います。

いすゞ フォワードとは?

初代いすゞ フォワード(1970年~1975年)

いすゞ初の中型トラック「TY」の後継車種という形で1970年に初代フォワードは産声を上げました。型式はTRとなっており、「TY」の名残が伺えます。車としての特徴は、まずエンジンの搭載形式がキャブオーバーからセミキャブオーバー方式に変更されたことが上げられます。

この方式を採用するとエンジンが前にせり出す形で搭載されるので、キャビン(運転席などが設けられている場所)が横から見て台形のような形になります。2代目以降のフォワードはよく見られる真四角な形のキャビンになっていきますので、初代フォワードでしかこの特徴的なキャビンを見ることはできません。

D500型エンジンが採用され最高出力は125psを発生。発売開始から翌年の1971年には130psにまで出力をより向上させています。

1975年にはフルモデルチェンジされるのですが、シングルキャブ仕様車は1986年にフォワードジャストンが登場するまで生産・販売され続けました。

セミキャブオーバー方式とは?

キャブオーバー方式がエンジンの真上に運転席・助手席が位置するのに対し、セミキャブオーバー方式ではエンジンが前方に移動し、運転席・助手席がパワートレーンに若干被さるようになり、少しだけボンネットが張り出した特徴的なスタイルになります。

キャブオーバーに比べエンジン位置がより外側になるため、「ホイールベースが長くとれるので直進安定性が向上する」「乗り心地が若干改善される」などのメリットがあります。一方「ボンネット分スペース効率が落ちる」「ホイールベースを長くとると、最小回転半径が大きくなる」「チルトキャブを備えたキャブオーバー車に比べ、整備性が落ちる」といったデメリットも多くあります。

特に狭い道が多く、効率性が重視される日本市場ではメリットよりもデメリットのほうが大きく、現在主流のトラックは軽自動車から大型車までほとんどの車種がキャブオーバー方式を採用しています。

2代目いすゞ フォワード(1975年~1985年)

ベッドを搭載していたフルキャブ車のみ2代目フォワードへとフルモデルチェンジされました。このフルキャブオーバー方式の採用により、真四角な現代のトラックに近い形状となりました。10年間に亘って販売され続けた2代目フォワードはマイナーチェンジを毎年のように繰り返し、エンジンは6BB1型145psから徐々に出力を上げ、最終的にはターボを搭載し180psを発揮する6BD1型 ターボエンジンを搭載するに至ります。

年々引き上げられた排ガス規制への対応などもエンジンには求められ、より大パワーのエンジンを必要とする業界のニーズとは相反する技術が必要となっていたものの、それを見事にクリアし、排ガス規制へ対応しつつ、初代に比べ大きく出力を向上させることに成功しています。

エンジン以外にもパワーステアリングや4輪ディスクブレーキ、ビニールニットシートなど多彩な装備を採用し、トラックに必要な装備を年々充実させていきました。

3代目いすゞ フォワード(1985年~1994年)

3代目でフルモデルチェンジをしたフォワードは、1985年にトラックとしてはじめてグッドデザイン賞を受けました。助手席と運転席を倒すことでベッドとして使用できるマルチユースシート&ベッドが大きな特徴で、その他にもパワーウィンドウ、アームレストにオートドアロック、ステアリングロックなど現代の車には必須となっている装備類もこの3代目フォワードで、マイナーチェンジの度に追加されていきます。キャビンの形状はほぼ四角形で、日本国内でよく見られるトラックになりました。

ちなみに、この3代目フォワードのキャッチコピーは「生き残るトラックはコイツだ」「コイツがいすゞのトラックだ」。いかにトラック業界の競争が激しく、いすゞが強い危機感を抱いていたことが伺えます。販売時期的にはバブルの絶頂期に向かう時代ですので、無茶も平気で通す企業が多かった時代背景を考えると、このキャッチコピーからはいすゞが慢心をしないよう心がけていたように思えます。

4代目いすゞ フォワード(1994年~2007年)

3代目フォワードからキープコンセプトのまま、環境性能を引き上げた6HE1-S型と6HE-TCS型エンジンを採用し、1994年にフォワードは4代目へと進化しました。発売から数ヵ月で5t、7t仕様の大型車が登場し、ラインナップをさらに充実してきています。アイドリングストップ&スタートシステム、騒音を少なくするクラッチレスのMT「スムーサーF」、排気触媒、燃料噴射装置の改良など、2007年までに行われた排ガス規制の改正に伴い、環境性能を向上させる様々な機能が追加されていきました。

4代目のキャッチコピーは「New Reader」、環境性能だけではないのでしょう、中型トラックカテゴリーで新しい物を作ろうという意気込みを感じます。

5代目いすゞ フォワード(2007年~2016年)

出典:http://www.isuzu.co.jp/product/forward_post/

11t車もラインナップに加えられ、さらに多様なニーズの声を聞いたのが5代目フォワードです。外見上は先代からやはりキープコンセプトですが、ヘッドライトが大きくなり、全体的にはモダンな印象へと変化しています。積載状況や道路の勾配状況を検知して、自動的に走行状況に応じたトルク配分を制御するECONOモードなどを搭載するなど、今までフォワードと同じく年々進化を続けています。

2011年にはディフィートデバイスの仕様が問題視され、一時期出荷が停止されていた時期があります。

フォワードとディフィートデバイス

一時期フォルクスワーゲンで問題になった排出ガス規制について、実はフォワードでも問題になったことがあります。ディフィートデバイス(試験の時にだけ排出ガスを減らす装置の総称)を装着していたことが問題視されたのです。現在は国際的に使用が禁止されているディフィートデバイスですが、当時の日本ではまだ禁止とはなっていませんでした。しかし、ディフィートデバイスを問題視した東京都からの指摘を受けフォワードは出荷停止の処置を受けることになってしまいます。この事件をきっかけに、日本でディフィートデバイスに関する規制のガイドラインが制定されていくことになります。

ちなみにフォルクスワーゲンの排ガス規制事件で問題視されたのもこのディフィートデバイスです。

世界展開されるいすゞ フォワード

出典:http://www.isuzu.co.jp/world/product/f_series/

アメリカの自動車メーカーGM(ゼネラルモーターズ)の商用車販売ブランドから、Tシリーズとしてフォワードが販売されています。南米向けにはシボレーブランドから販売されるなど、アメリカ方面ではやや複雑な販売経路や名称でフォワードは販売されています。アメリカ方面を除くその他の地域では、いすゞ Fシリーズという名称で主に販売されています。

フォワードのご先祖様はいすゞ TY

日野自動車が同社初の中型トラックを1964年に発売し、その後を追う形で1966年、いすゞからはじめての中型トラック「TY」が発売されました。4トンの平ボディもしくはダンプというラインナップで、直6の 3,644ccで、100psを発揮するD370型エンジンをキャブオーバー(日本のトラックでは軽から大型までお馴染みの手法)で搭載されました。1970年に初代フォワードが販売を開始するまで、ロングボディや3.5トン積みなど仕様の追加やマイナーチェンジを行いながら販売され続けました。

いすゞ フォワードダンプ (1985年~2016年)

3代目フォワードよりダンプ車が設定されるようになりました。車としての評価はと言うと、デザイン面ではあくが強くなく目立たないが良く出来ているとなかなか高評価です。走行面でも安定した走りや安全性が高く評価される傾向にあり、非常に信頼性が高い車種として評価されているようです。

ただ、この高評価も5代目フォワードがほとんどでして、4代目フォワードなどでは足回りのバネの弱さやギヤの入りにくさ、小回りが利かないといったデメリットもよく見られています。

いすゞ フォワードのスペック

寸法

出典:http://www.isuzu.co.jp/cv/data/forward_post/01shogen.html

上記の画像は現行(2016年モデル)フォワードのフルキャブ標準車カーゴ仕様の寸法になります。他仕様車の寸法が知りたいとり方は、下記URLより公式ホームページを参照してみてください。

いすゞ自動車のホームページ。

排気量

出典:http://www.isuzu.co.jp/product/forward_post/engine/performance.html

いすゞではD-COREと呼ばれる次世代ディーゼルエンジンを採用しています。フォワードでは総排気量5,193ccになる4HK1-TCH、4HK1-TCS、4HK1-TCCのエンジンを採用しています。標準車で重量車モード燃費値:7.30km/Lという燃費性能を達成し、車両重量や排気量を考えれば十分な燃費性能を達成していると言えるでしょう。

主要諸元

いすゞ フォワード カーゴ 標準幅 フルキャブ

ボディ:平ボディ
車種:リーフサスペンション・フルキャブ
車型:TKG-FRR90S2
トランスミッション:スムーサーFx
ホイールベース(記号): 4,860mm(N)
キャブ幅:標準キャブ

寸法
全長:8,485mm
全幅:2,260mm
全高:2,550mm
トレッド:前1,795mm
後:1,660mm
最低地上高:185mm
荷台内側 長さ:6,210mm
幅:2,155mm
高さ:390mm
床面地上高:1,080mm

重量
車両重量:3,560kg
最大積載量:4,200kg
乗車定員(人):2 2
車両総重量:7,870kg

性能
最小回転半径:7.2m
重量車モード燃費値:7.30km/L

エンジン
型式:4HK1-TCS
種類:水冷4サイクル直接噴射式インタークーラーターボ
総排気量:5,193 cc
圧縮比:16.5
最高出力 :154kW(210PS)/2,400rpm
最大トルク: 706N・m(72kgf・m)/1,600rpm

その他
燃料タンク容量(L):100
バッテリー:65D23L×2
変速比:(1)6.615(2)4.095(3)2.358 (4)1.531(5)1.000 (6)0.722 (R)6.615
減速比:3.900

タイヤ
前:225/80R17.5-123/122L  後:225/80R17.5-123/122L

いすゞ フォワードの新車価格は?

販売地域により希望小売価格が異なること、様々な用途により細かな仕様の違いがあること先にお伝えし、その上で、ここでは東京地区における特定車種の希望小売価格を掲載しておきます。

車両型式:TKG-FRR90S2
エンジン:4HK1-TCS 154kW(210PS)
トランスミッション:6速Smoother-Fx

平成27年度重量車燃費基準達成
ポスト新長期規制適合
平成21年低排出ガス車認定取得
九都県市指定低公害車「優」適合
F-CARGO・GVW8トン車
フルキャブ・リーフサスペンション

希望小売価格:10,234,000円(消費税抜き)

いすゞ フォワードの中古車情報

年式を問わないのであれば、2016年6月現在の中古車サイトには下は80万円から上は870万円まで、様々な仕様のフォワードが合計約470台登録されています。ダンプやユニック付きの車両にコンテナ搭載前提の脱着装置付きの車両など、仕様は多岐にわたります。もちろん年式が新しく装備が充実しているほど高額になります。

フォワードのような車を購入する場合は、乗用車以上に使用する状況を想定して必要な装備を厳選することが大切です。また、恐らく法人名義で購入する方がほとんどでしょうから、減価償却を想定して予算を組み、購入することも大切でしょう。

2016年6月現在の中古車情報を載せて起きます、興味のある方は参考にしてみてください。

いすゞ フォワードのカスタム

メッキパーツ

フォワードに限らず国産トラックには多数のメッキパーツが販売されているため、それが標準だと勘違いしている方もおられるかもしれませんが、実はメッキパーツの多くはカスタムです。

いすゞ 320 フォワード 標準 メッキ グリル

¥7,538

販売サイトへ

フロントフェイスに取り付けるこのメッキグリルはインパクト抜群ですね。ダンプ仕様のフォワードでよく装着されています。

いすゞ 320フォワード メッキ ミラーカバー セット 新品

¥9,504

販売サイトへ

こちらは専用のミラーカバーですね、こちらも走っているトラックによく見かけます。

【送料無料】いすず 07フォワード標準用 メッキワイパーセット

¥14,904

販売サイトへ

乗用車のカスタムパーツではまず見ることのないのがこのメッキワイパーです! これはトラックならではのカスタムパーツと言えるのではないでしょうか、なかなかに個性的です。値段は結構しますが、さりげない部分で主張できそうなパーツです。

いすゞ ギガ、日野自動車 レンジャーと比較

ここでは同じいすゞのトラック「ギガ」と、日野を代表するトラック「レンジャー」の2台とフォワードを比較し、どんな違いがあるのかを見てみようと思います。

フォワードの兄貴分、大型トラックいすゞ ギガ!

出典:http://www.isuzu.co.jp/product/giga/

フォワードの兄貴分に当たる大型トラックがいすゞ ギガです。フォワードが長年名称を変えずにフルモデルチェンジを続けていたのに対し、ギガは1994年に先代に当たる810シリーズがフルモデルチェンジし、名称を変更して登場しました。現在は社名を変えることなく2代目へとフルモデルチェンジし、今もいすゞ最大の大型トラックとして販売が続けられています。

海外では単車系をCシリーズ、トラクタ系をEシリーズとして販売し、中国や香港で着実に販売台数をのばしています。特にニュージーランドやオーストラリアといったオセアニア方面での人気が高く、大型トラックの分野でトップシェアを誇ります。

ハイブリッドの搭載で一歩先を行く、日野自動車 レンジャー!

出典:http://www.hino.co.jp/ranger/hinshitsu/index.html

フォワードとカテゴリが同じ中型トラックであり、三菱ふそうが低調な今、国内市場唯一にして最大のライバルです。フォワード同様その歴史は古く、1964年から現在に至るまでフルモデルチェンジとマイナーチェンジを繰り返し、2016年の現在では6代目として国内の中型トラック市場で大きなシェアを勝ち取っています。

フォワードとの最大の違いはハイブリッド仕様車の有無でしょう。トヨタ自動車の連結子会社である日野自動車は、トヨタ自動車と共同でトラック向けのハイブリッドシステムの開発も行い、自社のトラックに搭載しています。ディーゼルエンジンにハイブリッド機構を組み合わせたこのエンジンは、電気モーターによる強力なアシストがあるため、少ない排気量のエンジンでも十分なトルクを出すことに成功しているため、燃費面でフォワードより一歩リードしていると言えます。

ダカール・ラリーに参戦していることでも有名な車両で、その性能を日本だけでなく世界へ向けてアピールしています。このような活動をはいすゞは行っていないため、レンジャーはフォワードより一歩先を行く営業戦略をとっていると言えるのかもしれません。

出典:http://www.hino.co.jp/dakar/team_sugawara/racing_trucks.html

いすゞ フォワードのまとめ

日本国内での評価を見ていますと、ハイブリッド機構など目新しい新技術は今のところ採用されていませんが、堅実で十分な性能を持つ実用車として国内外で高い評価を受けています。フォワード歴代のキャッチコピーを見ると、初期は「フォワード・ザ・ビッグ」や「オーライ!フォワード」など良い車としてのイメージを追求していましたが、後期は「生き残るトラックはコイツだ」「New Reader」など新しい価値を提案する先進的な車というイメージになっています。このキャッチコピーの通り、新しい価値を常に考え、採用してきたのが、歴代のいすゞフォワードという車です。

時代の流れからハイブリッドなど次の一手を考えなければいけない時期です。今後フォワードがどのように進化をしていくのか、今から楽しみでなりません。