【シボレー シルバラード】労働者に支持されるフルサイズ・ピックアップトラックのハイブリッドの発売は?

アメリカンな自動車文化の象徴とも言えるのが、大型のピックアップトラックです。あちらの映画やドラマを見ているとしょっちゅう目にはするものの、やはり日本国内の道路事情には馴染まないものかもしれません。しかしまぁ、このシボレー シルバラードを見ると、強靭&武骨でありつつも憎めない生真面目さも備えている、そんな自動車です。

額に汗して働くアメリカ労働者の超強い味方、それがシルバラード

アメリカの経済を体現しているような印象もあるのが、フルサイズのピックアップトラック。クルマとして見たとき、大きなエンジンにいくらでも積み込めそうな荷台がその魅力と言うことになるでしょう。そして、この自動車マーケットにも、例えばトヨタ タンドラのような(アメリカにとっての)海外勢が食い込んできています。しかし、そのDNAに刻み込まれたようなサイズ感覚は、世界中のどこを見てもアメリカ人にしか作れないものの様に思えます。

シボレー シルバラード(および姉妹車のGMC シエラ)は、そんな巨大市場での一翼を担うアメリカンな一台です。

シボレー C/Kシリーズの後継として誕生したシルバラード

1960年代に登場し、ながらく活躍してきたトラックのシボレー C/Kシリーズから、そのグレード名であったシルバラードが独立したのは1999年のことだそうです。GMC シエラは、その同型の姉妹車。

車体の基本骨格は新型の「GMT800」プラットフォームで、同じグループのシボレー タホ やシボレー アバランチなど、トラックベースのSUV系とも共用の車台が使われることになりました。

車体は、運転席のドアが左右2枚だけのスタンダードとその後部に控えめなドアのついたエクステンデッド(2016年モデルではダブルキャブ)、そして完全な4ドア仕様のクルーキャブがあります。

小型エンジンを搭載したライト・デューティー

「1500」もしくは「2500」のナンバーがグレード名となっているシボレー シルバラードが、ラインアップのなかでも小型エンジンを与えられるのが、「ライト・デューティー」の車体です。登場した最初の一年間、シルバラードに取り揃えられていたのがこのグレード。

車室(つまりドア枚数)との組み合わせで、荷台の長さも3種類のグレードがあります。最短のタイプの前後長は1,758mm、標準が1,999mm、そしてロング版は2,479mmでした。

当初用意されたエンジンは、排気量が4.3Lと4.8L、そして5.3Lの3タイプ。どれもV型8気筒OHVで、出力はそれぞれ、149kwに190kwそして201kwでした。変速機は、4速のオートマチックトランスミッションと5速のマニュアルです。

2003年になると「SS」グレードが追加されました。これには、6.0Lの排気量を持つV8エンジンが標準搭載され、その出力は257kw(349.4ps)を誇ります。駆動方式は4WDから始まり、後に2WD版が追加投入され拡販を図っています(後に4WDは消滅)。このグレードのサスペンションは、フロントにトーションバースプリングを用い、ハンドリングの向上を図ったタイプを装備。足元をかためるのは、20インチのアルミホイールでした。

2007年のモデルチェンジで、ライト・デューティーは「1500」のみになります。この時に適用されたエンジン排気量は4.3Lから6.2Lまでの全5タイプ(145kwから301kw)でした。

2004年にはパラレル・ハイブリッド搭載モデルも登場

2004年になると、このシボレー シルバラードにも、「ハイブリッド」版が登場します。当時のシボレーが、「パラレル・ハイブリッド」とアナウンスしたシステムです。とは言えこの時点では電気モーターに自動車を駆動する能力はなく、停車時のエンジンストップと再始動、および若干のエンジン補助をを行うのが主眼でした。

4つのバッテリーが後席の下に格納された、このシルバラード ハイブリッド。同時に、AC電源用のインバーターも搭載されていて、荷台および室内に2つずつ容量20Aの電源ソケットを装備していました。この装備は、仕事現場でしばしば電源を必要とする、土木建築業向けとして重宝されたそうです。

この、初期型シボレー版ハイブリッドは、2007年のフルモデルチェンジで消滅。その後は、遊星ギアでエンジンとモーターの駆動トルク(および回生制動力)を分配する、より本格的な「デュアルモード・ハイブリッド」に進化しました。

牽引および積載の能力に優れたヘビー・デューティー

初代シルバラードにおいて、「1500HD」に「2500HD」および「3500」のグレード名がついているのが、強化版の能力を持つヘビー・デューティーというタイプです。搭載されたエンジンは、排気量6.0Lおよび8.1Lの「Vortec V8」から、最終的には6.6Lの新型V8エンジンである「Duramax」に進化します。その最大出力は268kw(364.4ps)でした。

このHDタイプのシルバラードは、牽引および積載の能力がアップされた車体。例えば、1500HDグレードの車体でも4,700kgを引っ張って移動し、荷台には1,419kgまでの積載が可能。2500HDになると、牽引力は最大で7,400kgにもなり、積載は最大で1,841kg。また、3500になると、それぞれ7,600kgと2,500kgとうい性能を発揮するそうです。

2007年のフルモデルチェンジで、シルバラードHD版エンジン出力は、最大で296kw(402.4ps)まで拡大します。

最新2016年型シボレー シルバラード

現行の最新シルバラードも、1500(ライト・デューティー)と2500HDおよび3500HD(それぞれ、ヘビー・デューティー)の3グレードが存在。それらすべてに、標準の「2ドア」タイプに加えて補助的ドアを追加した「ダブルキャブ」、そして完全な4ドア版である「クルーキャブ」のボディ3種類が用意されています。また、荷台の前後長も「スタンダード」と「ショート(クルーキャブのみ)」、そして「ロング」の3種類が用意されています。駆動方式も、各車体で2WDと4WDを選択可能です。

サスペンションは、前にダブルウィッシュボーン式独立懸架、後ろにはマルチリーフスプリングの車軸式です。

2016年のカタログには、「ハイブリッド版」は載っていません。一方、ライバルのフルサイズ・ピックアップトラックである、フォードF-150はハイブリッド化を進めているとか。まぁ、原油価格の低落は続いていて米国内でも産油が見込める2016年、シボレーとしては「エコ化」についてさほどプレッシャーは感じていないということでしょうか。

とは言え、まったく何もしていないという訳ではなさそうです。2016年のモデルでは、カリフォルニア州を限定に、シボレー シルバラードとGMC シエラには、「eAssist」というマイルドハイブリッドが投入されます。まぁ言ってみれば、最初に試してみたモーターアシストシステムへ逆戻りという訳ですが、ゼネラルモーターズは燃費で13パーセント程度の向上が出来るとアナウンスしているそう。0.45kwhのリチウム電池が、一つのモーターと組み合わされるこの機構。エンジンには、排気量5.3LのV型8気筒が搭載されています。

この売れ行きを見て、将来のハイブリッド展開を検討する、ということらしいです。

ヘビーなピックアップトラックの燃費って?

最近のシボレーV8エンジンには、気筒内燃料直接噴射や可変バルブタイミング機構、そして「アクティブフュエルマネジメント(Active Fuel Management )」という気筒休止機構も持っています。気筒休止は、巡航時などにエンジンの4気筒の動作を停止するというシステム。そういった工夫により、時代に取り残されない程度のエネルギー効率を得ているとも言えそうです。

実際のデータ(米国EPA公認推定値)としては、2WDの5.3Lエンジンの場合で市街地燃費が6.8km/L、ハイウェイでは9.8km/Lとなっています。

シルバラード各グレードの主な特徴

「1500」は、シボレー シルバラードのなかでも最もベーシックで買い求めやすいグレードです。このタイプでもシルバラードの3種類のボディは選択可能。加えて細かなグレード(トリムレベル)設定がされていて、ボディーに「クルーキャブ」を選択すると、最大5つのレベルから選べます。最上位のトリムレベルは「ハイカントリー(High Country)」。トリム(およびオプション選択)との組み合わせにもよりますが、エンジンには排気量4.3LのV型6気筒から5.3Lもしくは6.2LのV型8気筒が搭載されます。変速機は8速のオートマチックトランスミッションで、後車軸の減速比に3.42か3.32の選択があります。

「2500HD」は、シルバラードの中級グレードで、エンジンが排気量6.0Lの可変バルブタイミング付ガソリンか、6.6Lのターボディーゼルからの選択になります。どちらも形式はV型8気筒です。リアの減速比は4.1もしくは3.73が用意され、トランスミッションは6速のオートマチックのみとなります。このヘビーデユーティ型になると、最大牽引能力は8.1トン、最大積載重量は1.6トンというアメリカンパワーを持ちます。

「3500HD」は、シルバラードの中で最も能力の高いモデル。このグレードでは後輪が左右並列となる「デュアルリアホイール(Dual Rear Wheel )」のトリムレベルがラインアップされてきます。そんなヘビーデューティー車両を駆動する動力源は、やはり排気量6.0Lのガソリンか、6.6Lのターボディーゼル。変速機も6速のATのみです。最大牽引力は10トンで、積載能力は最大で3.2トンに到達するのがこのモデルです。

【諸元表(参考値)】シボレー シルバラード 2500HD

名称:シボレー シルバラード 2500HD 2WD(標準ボディー)
エンジン排気量:6.0L
エンジン出力:268.5kw(365.0ps)/5,400rpm
エンジントルク:515.2Nm(52.5kgm)/4,200rpm
全長:5,700mm
全幅:2,035mm
全高:1,976mm
重量:2,593kg
ホイールベース:3,393mm
サスペンション:ダブルウィッシュボーン式(前)/ リジッド(後)

シボレー シルバラードの装備

額に汗して働く人々の力強い味方、それがシボレー シルバラードです。とは言え、ある程度以上の安全機能やラグジュアリーにも気を使っているのが、このクルマの魅力の一つでしょう。

安全性でいうと、「ドライバーアラートパッケージ(Driver Alert Package)」をオプションでチョイスすることもできます。その場合は、走行レーンからの逸脱を警告する「レーンデパーチャウォーニング(Lane Departure Warning)」や、前方車両との距離や相対速度により警告する「フォワードコリジョンアラート(Forward Collision Alert)」他の機能が含まれてきます。この辺りを見ると、今どきの乗用車としても最低限の機能を持っていると言えるでしょう。

インフォテイメントには、モバイルデバイスと連動する「MyLink」も装備、加えて運転席と助手席の空調を個別に行える「デュアルゾーンクライメートコントロール(Dual-Zone Climate control)」などの快適機能もあります。

このシルバラードは、サスペンションのブッシュなどもしっかりした作りで、静粛性にも良い評価があるようです。「Car and Driver」誌のテストでは、時速70mph(約112km/h)での車内騒音が66dbという結果が出たそうです。ちなみに、同誌のテストではレクサスLS460と同等とのことです。

フルサイズのトラックを、日本で乗り回すには?

シボレー シルバラードを新車で輸入する

2016年の現行の正規輸入では、残念ながらシボレー シルバラードの購入はできないようです。と言う訳で、新車を希望する向きは並行輸入を探すしかありません。

「株式会社 ティムスター」は、アメ車などの輸入ノウハウが豊富な業者ですが、公式ページに、シルバラードなどの予想価格を明示しているのも、購入検討者にとっては嬉しい限りでしょう。それによると、4.3Lエンジンの2WD車両だと、新車価格は4、560、000円だそうです。

他には、「有限会社 BPコーポレーション」でも、シルバラードの新車を扱っています。ご参考までに、下にリンクを添付しておきます。

シボレー車の各種グレード、新車価格、装備内容を紹介しています。人気のシボレー タホ、サバーバン、シルバラード、エクスプレス、アストロ、コルベット、コロラド、などを、日本一の低価格で販売できるよう努力しています!

シルバラードの中古も悪くない?

日本の交通事情からは遠い印象もあるシボレー シルバラードですが、意外と海を渡ったこちら側にもファンは多いようです。

それゆえ、中古車市場にも選ぶに困らない数が出回っていると言っても良いでしょう。例えば、1999年登録の「1500」(5.3Lエンジン)で走行距離が7.1万kmの車検なしが1,580,000万円です。あるいは、2015年登録の走行距離2.1万kmという車体で、6,780,000円というものも出ていました。

ヘビーなクルマだけど、故障とか維持費は?

正直なところ、中古のアメ車ということだと故障がコワいかもしれません。まぁ、フロントサスペンションのボールジョイントを交換したとか、リレーの破損でエンジンがかからなくなったなどの話はよく聞きます。実際、動かなくなってしまった時はちょっと困りますよね。それでも、手放さなくてはならない程の深刻なトラブルは、さほど聞こえてこない印象もあります。

メンテナンスには気を使って乗り回すとして、他に気になるのが維持費です。仮に、6.0Lエンジンの「2500HD」を自家用のトラックとして所有するとすると、最大積載量量によって決まる毎年の自動車税は11,500円です。また自動車重量税の方は、自家用のトラックとして車重が2.5トンを超えるので12,300円が年の税額ということになります。

シボレー シルバラードのまとめ

一般論的に言うと、明確な目的もしくは理由を持った人が求めるのが、このシボレー シルバラードのようなピックアップトラックということになるでしょう。

ある程度以上のレベルの快適装備や機能も含めて、最小では4.3LのV6エンジン車から選べるのがこの車です。意外と、幅広い顧客を獲得していそうにも思えますね。

たしかに、趣味にお仕事に、ライトあるいはヘビーデユーティに活躍すること間違いなし。その意味でも、面白い一台だと思います。