ロータス・エクセル 決して表計算ソフトの話ではありません。

ロータス・エクセルってご存知ですか?ご存知でしたら、相当な車好きだと思います。ちなみにググってみてください。“ロータスのファイルをエクセルに変換する...”みたいな結果に終わります。その名の通り、イギリスの名門スポーツカーメーカーであるロータスが送り出した2+2クーペなんです。マイノリティなこの車の魅力をお届けします。

ロータスエクセルという車

出典:http://wikicars.org/en/Lotus_Excel

まぁ、とにかく見てください。コレがロータス・エクセルです。デビューは1982年で、1992年まで生産されました。スポーツカーメーカーだったロータスが1960年代後半から始めた4人乗りラグジュアリースポーツシリーズの第4弾となった車です。
ちなみに先代はロータス・エクラです。上の画像は発売当時カタログのようですが、車名が“LOTUS eclat excel”となっていますよね。発売された当初は“エクラ・エクセル”という名前だったんですね。
実は、エクラとエクセルの外観は基本的に同じなんです。一般的にはマイナーチェンジと呼ばれるパターンなのですが、わりと大がかりな変更だったこともあり“優れたエクラ”という意味で付いた名前でした。
いつからか単に“エクセル”と呼ばれるようになったのでした。

TOYOTAの存在

出典:http://welovecarz.com/technical-characteristics/lotus-excel.html

この写真だとわかりやすいかもしれません。何が??っていう声が聞こえてきそうですが、ホイールに注目してください。ご存知の方、いらっしゃいませんか?これ、このホイール、“TOYOTA セリカXX(2代目)”のホイールなんです。
実はこの頃、ロータスとトヨタは提携関係にありました。トヨタ製部品の持つ高い信頼性と、流用によって開発費を抑えるコストダウンとを実現しようとしたのでしょう。
ホイールだけではありません。トヨタ製W58型トランスミッション(フルシンクロ5速M/T)、ドライブシャフト、デファレンシャル、ドアハンドルがセリカXXと共通部品なのです。
エスプリなどでも評判の良いロータス912型:2.2L直列4気筒DOHC16バルブ162psエンジンを採用しています。このエンジンは、斜めに傾けて搭載されている(エスプリも同様)ので、“スラント4(傾いた4気筒)”と呼ばれています。
ロータスお得意のX型のバックボーンフレーム+FRPボディという構成です。

余談ですが、2代目セリカXXのCMにコリン・チャップマン(ロータスの創始者)が出演していたのをご記憶の方もいらっしゃるでしょう。
※セリカXXが“ハンドリング・バイ・ロータス(ロータスがセッティングしたハンドリング)”だったという噂がありましたが、ロータスは一切関与していません。

バリエーションの追加

出典:http://welovecarz.com/technical-characteristics/lotus-excel.html

1985年に、エンジンの圧縮比を上げた180ps仕様のSEが追加されました。外観の違いは、イタリアOZ製の15インチホイールくらいです。
1986年には、ZF製 4HP22のオートマチックトランスミッションを搭載したSAも追加されました。
以降、1992年まで生産され、総生産台数は2,159台とのことです。

ロータスの+2(プラスツー)構想

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%A8%E3%83%A9%E3%83%B3

LOTUS ELAN +2

エクセルの出生の経緯を話すには、1967年までさかのぼらなければなりません。
60年代はロータスにとって全盛期と言うべき時期です。エランの成功に加えてフォードとのジョイントによるコーティナもレースシーンで大活躍し、スポーツカー界のトップメーカーという立ち位置を獲得していました。
その裏側で、市販車の分野で販路の拡大を目論んだロータスは、2+2というジャンルに手を出します。第1弾はエランでした。“ファミリーカーとして使えるロータス”という触れ込みで、エランのホイールベースを拡大した2+2の4人乗りモデル“+2(プラスツー)”をリリースしました。

フル4シーターのエリートⅡ

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%A8%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%88

LOTUS ELITEⅡ

エラン+2の後を受け持ったのはエリートでした。
デビューは1974年です。50年代にもエリートという名のスポーツカー(もちろん2シーターです)がありましたので、便宜上エリートIIと呼びます。エスプリでも採用した2.0L水冷直列4気筒DOHCのロータス907型エンジンをフロントに搭載、バックボーンフレームを貫通するプロペラシャフトにより後輪を駆動しています。
+2をさらに拡大したフル4シーターのエリートIIは、ロータスの持つ強すぎるほどのスポーツカーイメージからはほど遠く、大衆には戸惑いの声とともに迎えられました。

スポーツイメージを取り返すためのエクラ

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%A8%E3%82%AF%E3%83%A9

LOTUS eclat

1975年、エリートIIで大衆が抱いたロータスとファミリーカーのイメージギャップを埋めるべく、後部をファストバック風にリデザインされたエクラを投入することになりました。
フロントフェイスはそのままですので、エクラはエリートIIのファストバックモデルです。エンジンはエリートII同様、前期モデルは2.0L水冷直列4気筒DOHCのロータス907型、後期モデルは2.2Lのロータス912型エンジンを搭載しています。
1982年、トヨタとの提携を機にセリカXXの部品を投入し、“エクラ・エクセル”を名乗ります。1983年にはエクラの名前が外れて、“エクセル”と名乗るようになりました。

最後にまとめ

ロータスの苦悩とエクセルについて、ご理解いただけたでしょうか。4人乗りスペシャリティーカーの開発に取り組んだのはロータスだけではありません。フェラーリしかりランボルギーニしかり。きっかけはポルシェ911の成功でしょう。緊急用とはいえリアシートがあり、ビジネスにも十分使える高級スポーツカーは、市場で大歓迎をされました。でもポルシェの成功は、RRレイアウトによるところが大きいのではないかと思います。FRでの4シーターレイアウトは、スポーツ性能を大きく損なってしまうからです。