【ダッヂ ナイトロ】右ハンドルも選べるアメリカン中型SUV

ダッヂ ナイトロは乗用車ライクなSUVとしてアメリカの若者向け自動車ブランドダッヂから販売された中型サイズのSUVです。アメリカのSUVとしては小柄なサイズのSUVとなっていますが、そのたたずまいはアメリカ車そのもの、小さなサイズに収まりきらないアメリカンテイストがナイトロからはあふれ出ているのです。今日はそんなアメリカを感じられるSUVナイトロの魅力を紹介していこうと思います。

マッスルな印象のダッジブランド

ダッヂはクライスラーの乗用車ブランドとして、アメリカを思わせるマッスルな車を販売している自動車ブランドです。代表的な車種としては、バイパー・ラム・チャレンジャーといったアメリカンV8を搭載するマッスルカーが数多くあります。ダッヂの車は十時型の巨大なフロントグリルが特徴で、筋肉質な外観と併せ1目でダッヂとわかるデザインをどの車種もとっています。
元々は独立した自動車メーカーだったダッヂですが、1928年に買収されてから現在に至るまで、紆余曲折はあったもののクライスラー傘下の1ブランドという立ち位置をとっています。一時期はピックアップトラック部門の販売で存在感を見せていたダッヂですが、現在は若者向けの派手で個性的な車を販売するブランドとして独自の立ち位置を築いています。現在販売されているダッヂを代表する車種にダッヂ チャレンジャーという車がありまして、3代目になる車なのですが、1970年代に販売されていた初代の雰囲気を見事に現代に再現しており、それまでダッヂのアイコンだった巨大な十字エンブレムも採用されていません。初代の特徴的なスタイリングを現代風にモディファイした見事なデザインとなっており、それまで販売されていた若者向けで派手だがどこか軽い印象があったダッヂブランドに、ブランドの歴史という新たな価値を付与することに成功しています。今のところこのチャレンジャー以降はブランドの価値を向上させるような車種は登場していませんが、これからどのように発展していくのか、気になるブランドの1つです。

日本車的なサイズを持った中型SUVナイトロ

ナイトロは2005年のシカゴモーターショーで初めてお目見えし、好評を得たことから翌2006年から市販車として販売が開始された中型SUVです。ジープ チュロキーをベースにダッヂ流のマッチョな外装とデカイ十字エンブレムを装備し、一目でダッヂとわかる攻撃的な外観に仕上げられています。名前の由来は当然爆発物のナイトロです。アメリカの若者ブランドでもこの爆発物を連想させるナイトロが通じるところに、文化的な共通点を見てしまいます。
これだけアメリカを連想させる車なのですから、さぞ大きなSUVだと思うのですが、でかそうな外観に反して実際はそう大きな車ではありません。サイズは全長4,543mm、全幅1,857mm、全高1,857mmとなっています。数字だけ並べてもわかりにくいですが、このサイズは2000年代にアメリカで売れまくっていたレクサスRX(トヨタ ハリアー)に近い数字なのです。ハリアーの北米販売モデルであるレクサスRXの特徴は、ずばりSUVの形をした高級セダンです。乗用車的な乗り味と高級感を併せ持ちながら、車体が大きく立派に見えるSUVのスタイルをとるこのレクサスRXはアメリカで爆発的なヒット車となります。
ナイトロは全長・全幅ともにレクサスRXと同程度、全高が高い分広い室内空間を確保しており、付加価値の高いダッヂブランドで販売していたことからも、ナイトロがレクサスRXを意識して企画されたことは間違いないでしょう。エンジンもレクサスRXの3.5リッターV6エンジンに対抗してか3.7リッターV6エンジンと4.0リッターV6エンジンを搭載しており、日本車がアメリカの自動車メーカーに与えた衝撃が垣間見えます。
レクサスRXを意識していたナイトロですが、日本国内は元よりアメリカ本国でも販売は振るわず、次期モデルが開発されることなく2011年で販売が終了してしまいました。これは、ダッヂと同じクライスラー傘下のブランドであるジープのSUVであり、ナイトロのベース車両となったチュロキーが日本国内でもアメリカ本国でも好調な販売成績を収めていたことも関係しています。ただでさえ厳しい自動車市場で、同じ需要を取り合う車を販売し続ける意味は確かにありません。

内装の質感などどうでもいい、この雰囲気こそがナイトロの価値なんです

ナイトロの価値はボディ剛性や省燃費性能のような数字ではありません。快適・質感・安全性が欲しいのなら、ハリアーやチュロキーをはじめ他にも良いSUVはいくらでもあります。ナイトロの価値はそのたたずまい、アメリカを感じさせる雰囲気にこそあるのです。ごつくマッチョなボディに派手な十字のグリルを装備した姿は、サイズ以上の迫力を持っています。サイズ自体はそこまで大きくないのですが、サイズ以上の存在感があるのがナイトロの特徴と言えば特徴で見ていて飽きがこない、アメ車的なデザインの良さがある車です。

主要諸元

最大トルク:32.0kg・m(314N・m)/4,200rpm
種類:V型6気筒SOHC12バルブ
総排気量:3,700cc
内径×行程:93.0mm×90.8mm
圧縮比:9.6
燃料供給装置:電子式燃料噴射装置
燃料タンク容量:73リットル
使用燃料:無鉛プレミアムガソリン

環境仕様
10モード/10・15モード燃費:7.3km/リットル
JC08モード燃費:7.3km/リットル

足回り系
ステアリング形式:パワーアシスト付きラック&ピニオン
サスペンション形式(前):ウィッシュボーン式
サスペンション形式(後):5リンク 車軸式
ブレーキ形式(前):ベンチレーテッドディスク
ブレーキ形式(後):ディスク
タイヤサイズ(前):235/65R17
タイヤサイズ(後):235/65R17
最小回転半径:5.5m

駆動系
駆動方式:パートタイム4WD
トランスミッション:4AT

変速比 第1速:2.840
第2速:1.570
第3速:1.000
第4速:0.690
後退:2.210
最終減速比:3.727

日本にも導入されていたダッジ ナイトロ

アメリカ本国でも販売が振るわなかったナイトロですが、実は日本にも導入され、ちゃんと右ハンドル仕様で販売されていました。日本におけるダッヂブランドは、1997年に2ドアクーペのバイパーが導入されて以降、徐々に販売車種を増やしていました。意外にも日本ではこうしたアメリカンマッスルカーが欲しいという需要が存在していて、ダッヂブランドの車も細々とではありますが、着々と順調に販売台数を伸ばしていたのです。
順調に思われた日本のダッヂブランドでしたが、2009年に親会社のクライスラーが倒産したことで状況が一変し、導入が予定されていた新型車は次々に導入中止となり、2011年にアメリカ本国で販売中止となったナイトロを最後にダッヂブランドは日本の中古車市場から撤退してしまいます。

口コミでは高評価なナイトロ

指名買いがほとんどであるナイトロは、所有されている方の評価も高いものとなっています。惚れて買う車は欠点も愛嬌に思えてくるものです。
口コミではないですがツイートと、口コミサイトへのリンクを張っておきます。

口コミサイト

ベースとなったジープチュロキー

ナイトロのベース車両であり、派生車であるナイトロよりも好調に売れていたチュロキーにも言及しておきましょう。チュロキーは同社のパトリオットが販売されるまで同社で最小のSUVとして販売されていた中型SUVです。アメリカ以外の市場ではチュロキーという名称で販売していましたが、アメリカ本国での名称は「リバティ」ななります。丸いヘッドライトが個性的で、日本国内でもよく見かけるモデルで、日本国内ではナイトロよりも遭遇する機会が多い車種です。エンジンはナイトロと同サイズの3.7リッターV6エンジンの他、ナイトロには設定されていなかった直4 2.8リッターエンジンなど4気筒の小排気量エンジンも選択できる車種でした。

ナイトロのライバル ハリアーことレクサスRX

ナイトロやチュロキーと同サイズであり、アメリカ市場で濃い存在感を放っていたのがレクサスRXこと、トヨタハリアーです。このハリアーという車は元々トヨタの北米向け大型セダン「カムリ」のプラットフォームを使用した「乗用車の乗り心地を持つSUV」であり、それまでトラックベースで収まりの悪い乗り心地のSUVしかなかたアメリカ市場で爆発的にヒットしました。日本でもこのハリアーは大ヒットを納め、フルモデルチェンジを重ねながら現在も販売が続けられています。

お手頃価格な中古車

米国トヨタなどが販売しているアメリカ専売の逆輸入車などは、中古車になっても結構な高値で取り引きされています。逆輸入車には為替差損に加えて逆輸入業者の手数料や日本の車検に対応させるための構造変更などで費用がかかるので仕方がないといえば仕方がないのですが、日本で正規販売されていたナイトロは中古車市場でも高すぎない常識的な価格で流通しています。
ナイトロはSXTグレードで新車販売価格298万円とこのクラスの輸入車としてはリーズナブルと言って良い価格で販売されていました。そんなナイトロの中古車は2016年5月現在中古車サイトに46台登録され、おおよそ150万円から250万の範囲で流通している状況です。最終モデルでも販売から10年がたつため、そろそろ底値となってくる時期ですが、未だに150万円以上の相場で取引をされているところを見ますと、ナイトロを指名買いする一部のファンが存在し、中古車価格が高値を維持する要因になっているのかもしれません。確かにナイトロの持つアメリカンな雰囲気は独特のものがありますので、「ナイトロが好き」という方がいたとしても、わからなくはありません。
ナイトロの中古車相場の特徴を言うなら、150万円から250万円の価格差が個体毎にはありますが、価格ほどの差はないのではないかと言うことです。つまり150万円8万キロ走行の車種でも200万円4万キロの車種でも数字からその車のコンディションを図ることは難しいということです。そもそも登録台数の少なく趣味性の高いモデルの中古車は、走行距離や年式にかかわらず一定の相場価格を保つ場合があります。そうなってしまった場合ただ安いだけで中古車を選んでうまく割安な車両を購入できることもあれば、良好なコンディションだと思って購入した高額な車両が実は整備もろくにしていない割高な外れだという場合もあるのです。市場に何百台も流れているような車なら、走行距離や金額の相関関係からある程度目利きができるのですが、今回のナイトロはまさに趣味性が高く登録台数の少ない、価格と走行距離から価値を割り出しにくい車種となっています。
上記の理由から、コストパフォーマンスでナイトロは選ばない方がよいでしょう。だいたい、最安値である150万円付近の安物を狙うなんてナイトロらしくありません! せっかくナイトロが欲しいのなら、300万円程用意して、数少ない中古車の中から自分がこれだと思う車両を購入することをおすすめします。

カスタムされた車両ばかりです

完全に趣味の車となりますので、中古車として流れている車両は基本どこかカスタムが加えられています。ドレスアップの基本となる大径アルミホイールへの交換はもはや定番となっています、タイヤサイズが大きくなっている可能性がきわめて高いので、購入後のタイヤ台も当然高くなります。

ナイトロのカスタムパーツ

販売が終了しているナイトロですが、国内のクライスラー系カスタムショップから今もパーツが販売されています。アルミホイールをはじめとしたカスタムパーツのほか、ブレーキパットなどのメンテナンスパーツも用意されていますので、DIY派の方はチェックしておいて損はないでしょう。

維持費は結構掛かります。

購入費用はそこまで高くないナイトロですが、維持費は結構掛かります。自動車税66,500円/重量税20,000円/自賠責11,235円となり年間自動車税66,500円/重量税20,000円/自賠責11,235円となり、年間9.8万円程掛かります。また、燃費も実燃費5.0km/L程となっています。
故障も頻繁に起こる車種ですので、年間の維持費も数十万用意しておく必要があります。

アメリカンSUVを気軽に楽しめる最良の選択肢

アメリカ車といっても、案外多種多様な車種があるものです。ダッヂブランドであれば、十字グリルが誇らしいチャージャーやナイトロ、往年のアメ車テイストを受け継ぐチャレンジャーなどで得られる雰囲気が異なります。北米でしか販売していない日本メーカーのピックアップトラック大型SUVなどは日本車ですが、アメリカンテイストを楽しめる車として独自の魅力を持っています。もちろんフォードF150に代表される日本では滅多に見られない大型ピックアップトラックなどに乗っていれば、俺はアメ車に乗っているという満足感を存分に味わうことができるでしょう。
ですが、アメリカンテイストを味わうにはお金が結構掛かるためアメ車の購入となるとちゅうちょしてしまう方も多いとうのが現実でしょう。そんなアメリカ車の維持費が心配になってしまう人におすすめできるのが今回紹介したダッヂ ナイトロです。サイズはトヨタ ハリアークラスですので日本でも十分運転できるサイズですし、中古車相場も150万円からと高くありませんし、右ハンドル仕様の車もちゃんと販売しています。気軽に購入できる条件を兼ね備えていながら、ナイトロの持つ雰囲気はまさにアメリカ! 気軽にアメ車を味わって見るのにうってつけの車です。