【トヨタ コースター】中型免許で運転できるマイクロバス!燃費やキャンピングカーについてからライバル車との比較まで!

2007年(平成19年)6月2日より改正道道路交通法が施行された中型免許が必要ですが、それ以前に免許を取得していた人なら普通免許のまま運転できるというトヨタ製マイクロバスがコースターです。このコースターは大型免許が必要なく一般の方でも運転できることから、車中泊目的に購入されるなど、キャンピングカー仕様に改造されている車両もある、個人でも手が届くバスと言えるでしょう。

トヨタ コースターってどんな車?

初代 U10系・B10系

1969年(昭和44年)2月に初代コースターは登場しました。車としてはトヨタではダイナ、日野ではデュトロの名で販売されているトラックのプラットフォームをベースにバスの外装を被せる形で開発された車です。コースターの名前こそ1969年に初めて登場しますが、このトヨタ ダイナのご先祖に当たるルートトラックのはしごフレームにバスの外装を被せて制作された車が1956年にはすでに販売されています。つまりコースターはルートトラックベースのバス仕様車の流れをくんだ車と言えます。このトラックの荷台を荷室や客室にするという手法は、割合多くの車種に見られます。日産のパトロールなども元をたどればピックアップトラックから始まり、ダブルキャブ仕様の車がSUVへと発展していきました。近年の車では軽自動車などが、荷室に屋根をつけたバンや、荷室にシートをもうけて常用の軽ワゴンにしたて挙げるという、ベースとなる軽トラックをうまく利用した派生車種の作成はいまでもされています。
マイクロでもバスというキャラクターですので、大排気量で高いトルク特性を持つエンジンを搭載するイメージがあります。実際のところ搭載されたエンジンは、3,200 ccの2B型ディーゼルエンジンと2,200 ccの20R型ガソリンエンジンという大型ピックアップトラックにも採用されるサイズのものが搭載されていました。実際に運転すると町中を40キロ程度のスピードでゆっくりと運転する分には問題ないのですが、上り坂や高速道路ではパワー不足を感じる場面が少なくなかったようです。このアンダーパワーな傾向は後の現行コースターにまで引き継がれることになります。

2代目 B20・30系

1982年5月にフルモデルチェンジし、コースターは2代目となりました。このコースターはボディが先代に比べてより直線的で凹凸の少ないすっきりとしたものになっていたのが特徴です。
2代目コースターはエンジンサイズが大きくなり、直列6気筒OHV4リッターディーゼルエンジンを基本に、直列6気筒OHV4リッターディーゼルターボエンジン、直列4気筒3.4リッターガソリンターボエンジン、直列4気筒3.4リッターディーゼルエンジン、直列4気筒3.4リッターディーゼルターボエンジンなど、初代に比べてトルクの大きなエンジンを搭載していました。
エンジンの出力自体は向上していましたが、それに比例するようにボディサイズもより大きく拡大されてしまっていたため、初代コースターに見られたアンダーパワー傾向は2代目でも継続して見られることになります。

普通運転免許証でも運転できるモデルなど、バリエーションが増えた2代目コースター

ボディのバリエーションが増えたことも2代目コースターの特徴と言えるでしょう。当時の普通運転免許証で運転できる普通貨物登録(1ナンバー車両)として登録できるよう座席を9つに減らすなど改良を加えられたコースタービッグバンや、車体を後方へ延長した「ロングボディ」といった車両がラインナップに追加されました。ここで登場したロングボディの車両は総重量で5トンを超えてしまうため、2007年の改正道路交通法が施行されてからは免許を取得した方は中型自動車免許を新たに取得する必要があります。

3代目 B40・50系

1992年12月にコースターは全体的に丸みを帯びたボディを手に入れ、3代目にフルモデルチェンジしました。これ以後2016年5月現在までこの3代目コースターはモデルチェンジすることなく、今も新車販売が継続されています。
発売当初は直列6気筒1HZ型1HD-FT型エンジン、直列4気筒3B型、15B-FT型エンジンというラインナップとなっていたが1998年の排出ガス規制では4気筒エンジンは15B-FT型から15B-FTE型に、6気筒エンジンは1HD-FT型から1HD-FTE型へと変更されました。その後も排出ガス規制の基準が変更される度に、その基準を超えるようエンジンの仕様変更がいたちごっこで繰り返されることになります。このような排出ガス基準をクリアしようとすればエンジン出力は当然ながら落とさざるを得なくなり、バリエーションによっては5トンを超える車体重量を持つコースターでは、当然ながら十分なパワーは得られず、初代から続くアンダーパワーの傾向はますます強くなることになります。
3代目コースターでは2代目から追加されたロングボディのリアをさらに長くオーバーハングさせた「スーパーロング」や、その逆でボディを短く切り詰めてより一般ユーザーにも使い勝手が良いようにした「超ショート」といった仕様の車も、受注生産ではあるものの用意していました。このコースター超ショートはハイエーススーパーロングよりも小さい5.5mという最小回転半径(ハイエーススーパーロングは 最小回転半径6.3m)となっており、日常の取り回しも可能ながら駐車できるスペースも多いため、一般の方が車中泊などに仕様するキャンピングカーのベース車両として隠れた人気を博していました。
このコースターですが、日本で登録が抹消された車両が海外へ流れ、そのまま現地で使用されていることが多い車種でして、途上国などでも人気の高いモデルとなっています。反面日本の中古車市場に回ってくる車両が少ないため、日本で中耳のコースターを探すとなると選択肢が少なくなるという逆転現象が起きています。

主要諸元

トヨタ コースター EX ロングボディ ディーゼル

車両形式:SDG-XZ51-ZRTQH
車両重量:3,880kg
車両総重量:5,475kg
最小回転半径:6.5m
ボディタイプ:ロングボディ
ルーフ形状:ハイルーフ
乗車定員:29人
全長:6,990mm
全幅:2,035mm
全高:2,580mm
ホイールベース:3,935mm
トレッド前:1,690mm
トレッド後:1,490mm
最低地上高:185mm
室内長:6,200mm
室内幅:1,890mm
室内高:1,830mm

エンジン
エンジン:直噴ディーゼルターボ
型式:N04C-VK
種類:直列4気筒
総排気量:4009
内径×行程:104.0×118.0
圧縮比:17.0
最高出力(ネット):132(180)/2,800
最大トルク(ネット):461(47.0)/1,600
燃料供給装置:コモンレール式燃料噴射装置
燃料タンク容量:95
使用燃料:軽油(超低硫黄)

変速比・減速比
型式:電子制御式6速オートマチック(ECT)
トランスミッション型式:A861E型
1速:3,314
2速:1,912
3速:1,321
4速:1,000
5速:0,750
6速:0,605
後退:3,134
減速比:4,625

ステアリング
ステアリング(歯車形式):ボールナット式パワーステアリング
クラッチ6AT:3要素・1段・2相形(ロックアップ機構付き)
クラッチ5MT:乾式・単板・ダイヤフラム

サスペンション
フロント:エアサスペンション又はトーションバータイプダブルウィッシュボーン式独立懸架
リヤ:エアサスペンション及び車軸式半楕円板ばね
ショックアブソーバー:筒形複筒式・ガス入り

ブレーキ
フロント:油圧真空倍力装置付きベンチレーテッドディスク
リヤ:油圧真空倍力装置付きデュオ2リーディング
パーキング:機械式推進軸制動内部拡張形
補助ブレーキ:排気管開閉弁式排気ブレーキ

ハイブリッド

1,500ccの5E-FE型エンジン発電用専用に搭載したシリーズハイブリット仕様のコースターも販売されていましたが、約1,500万円という価格や寒冷地では出力が落ちるという電気モーターの特性上導入されることが少なく、2007年のマイナーチェンジで製造・販売は中止されました。
ちなみにこのシリーズハイブリットEV(電気自動車)というのは、プリウスなどに見られるハイブリットがガソリンエンジンを補助する形で電気モーターを仕様するいわば電気ターボであるのに対し、ガソリンエンジンを発電用に回転させ、電気モーターのみで走行を行うという仕組みのEVになります。ガソリンエンジンの車軸を介さず発電のためだけに使用するため、走行で使用する婆に比べて燃費が良いのが特徴です。BMWのI3のPHV(プラグインハイブリット)モデルも発電用にガソリンエンジンを搭載することで、EVの弱点である航続距離を200kmから乗用車並みの300kmまで伸ばすことに成功しています。

コースターの燃費性能

コースターの燃費性能はカタログで8.3km/L、実燃費だとそこから2.0km/Lほど落ちるようです。下記の数値がそうですが、アメリカの大排気量ピックアップトラックとさほど変わらない燃費性能となっています。

カタログ燃費 8.3km/L
実燃費: 6.77~6.85km/L

トヨタ コースターの燃費一覧。全国のオーナーからの給油情報を元にした実燃費が分かります。クルマの乗り方によっても燃費は大きく異なります。車レビューも参考になります。

コースターのライバル達

日産 シビリアン

出典:http://www.nissan.co.jp/CIVILIAN/

日産から販売されているCivilian(市民)の名を冠するマイクロバスです。名前の割に警察や自衛隊に国連軍にも納入されています。

日野 リエッセ

出典:http://www.hino.co.jp/liesse_2/

「ヒノノニトン」でお馴染みのトラックメーカー日野自動車から販売されているマイクロバスです。一部モデルは提携先のトヨタから「コースターR」名でOEM供給されていました。現在は排ガス規制の影響から製造中止となっており、トヨタ「コースター」のOEM供給を受けて「リエッセII」として販売されています。

三菱ふそう ローザ

出典:http://www.mitsubishi-fuso.com/jp/lineup/bus/rosa/14/main.html

三菱系列のバス・トラックを販売する「三菱ふそう」から販売されていたマイクロバスです。三菱ふそうのリコール隠しにより一時販売停止となっていましたが、その後マイナーチェンジし今も販売されています。

キャンピングカーのベース車両として注目されるコースター

いつかはバスコン? キャンピングカー仕様のコースター

車中泊がにわかにブームとなっています。旅先で宿泊先に悩む必要もなく、ホテル台も浮かすことのできる車中泊はまさにデフレの象徴ともとれるブームですが、そんなブームもあってか自動車メーカー各社は乗用車や軽自動車ベースのキャンピングカーをこぞって開発し販売しています。そんな車中泊にのめり込み、キャンピングカーの魅力にとりつかれた人々が口にするのが、「いつかはバスコン」というフレーズです。
バスコンとはマイクロバスなどを利用して作られたキャンピングカーのことでして、マイクロバスの中身をキャンピングカーに改修したものから、マイクロバスのキャブから後ろをキャンピングカー用のコンテナに変更してしまったものまであります。全長が6メートルを超えるマイクロバスをキャンピングカー仕様に改造すれば、家族ずれでも全員足を伸ばして寝ることができますし、ガスコンロや冷蔵庫にトイレなどの住居として必要な装備も十分備えることができる、まさに夢が広がるキャンピングカーです。
そんな夢のキャンピングカーであるバスコンですが、「いつかはマイホーム」と同じくなかなか所有するには高いハードルを越える必要があります。大型な車両を駐車するスペースや維持費の面も問題ですが、何より大変なのは、バスコンの販売価格です。バスコンは中古市場でも流通しているのですが、キャブの後ろに居住用のコンテナを積んだ本格的なものだと1,000万円近い値段になってしまうのです。もちろんコースターの内装だけをキャンピング仕様に変更したモデルであれば、500万円以下でも車両をさがすことが可能となりますが、普通に考えて500万円あれば相当豪華な海外旅行を数回楽しむことができます。このバスコンの購入にかける費用と旅行の費用をてんびんにかけて、それでもキャンピングカーが欲しいと割り切る、もしくはそこまでキャンピングカーライフが好きになることが、バスコンを所有するために最も超えなければならないハードルではないかと思えます。

ベース車両の購入について

さて、そんなキャンピングカーに最適のコースターですが、中古車サイトには2016年5月現在で112台のコースターが登録されています。その中でキャンピングカーとして改造されたいわゆる「バスコン」の車両は、合計10台登録されています。最も高級なのは「ナッツ」というキャンピングカーを製作している会社の製品で、キャブ後部に居住用のコンテナを搭載し、そのほかレカロのリクライニングシートやカーナビなどを搭載した車両が総額1,000万円で登録されています。
ただ、内装だけを改造している車両であれば、高いものでも400万円台、相場としては350万円程で帰る車両が登録されています。コースターベースのキャンピングカーを購入するなら、350万円台の内装を改造している車両を購入するのが最も現実的な選択だと言えるでしょう。ちなみにキャンピングカーでない仕様のコースターなら、古い車両なら100万円台から手に入ります。ただ、マイクロといえバスはバスですので、しっかりと整備を受けた車両を吟味することが重要ですので、コースターの場合は安易に安い車両ではなく、しっかりと整備の行き届いた車両を選びましょう。

コースターの4WDは3代目からなので注意です

コースターを購入する上で注意したいのが、4WDが設定されたのが1995年の3代目からだという点です。それでも20年前から設定があるので中古車市場でも4WDの車両を探すことはできますが、もし旧車として趣味目的で1995年以前のコースターを購入するときは、4WDの設定がないことを覚えておいて下さい。

いつかはバスコン!! 車中泊に使用してみたい車です

マイクロバスとして宴会や介護施設の送迎など、多くの場面で利用されている、名前は知らないが日本に住んでいるなら誰でも一度は見かけたことがあるのがコースターですが、個人でも十分所有可能です。もちろん本気でコースターのバスコンを所有しようを考えますと、駐車スペースを始め様々なハードルが待ち受けているわけですが、一度は所有してみたいという不思議な魅力がコースターにはありました。
もし車中泊やキャンプがお好きなコースターを一度検討してみてはいかがでしょうか?