【日産 クリッパー】多彩なラインナップが自慢です!リコールや燃費、中古車についてもまとめました!

日産で初めて商用の軽自動車として販売されたクリッパーは、コストカッターの異名を持つカルロス・ゴーンの統治の元、三菱からOEM供給を受けるという形で世に送り出されることになりました。使い勝手が求められる商用車クリッパーには、様々な仕様を想定され、多彩なラインナップを持つことが必要とされていたのです。多彩なラインナップを持つ商用車、クリッパーの魅力を今日はお届けします。

日産初の軽自動車、クリッパー

クリッパーという名称は、元々日産の前身であるプリンス自動車から販売されていた中・小型トラックに使用されていた名称です。英語のクリッパーという単語には「足の速い馬」という意味も含まれていました。
そんな名称をつけられ、日産で初めて軽自動車市場に商用車として投入されたクリッパーは、市場のニーズに応える形でそのラインナップをどんどん多彩なものへと充実させていくことになります。まずはクリッパーにどのようなラインナップがあったのかを、車の紹介をしながら見ていくことにしましょう。

まずは基本となる使い勝手の良いバンタイプ

初代 U71V/U72V型

2003年9月16日にトラックタイプ・バンタイプというラインナップで初代クリッパーの販売は開始されました。この初代クリッパーは三菱の軽乗用車ミニキャブのOEM供給モデルであり、エンブレムなど一部の外装以外は基本的に同じ車となっています。4人乗りのシングルキャブがベースとなっており、キャブ(前席)より後ろ側は基本的に荷台としての使用を想定して開発されています。後席には片側にスライドドアが装備され狭い駐車場でも楽に荷下ろしをおこなうことができました。
日産初の軽自動車として2002年に販売された軽自動車モコに続き2代目の軽自動車であり、三菱からOEM供給を受ける軽自動車としてはオッティやデイズより以前の、最初のモデルになります。
このクリッパーのOEM供給から燃費不正問題が発覚する2016年まで三菱と日産の蜜月関係は続いていくことになり、三菱と日産の良好だった関係をまず形にした記念すべきモデルであったと言える車です。三菱が軽商用車の販売から撤退し、OEM供給元となるミニキャブの製造・販売が停止される2013年まで10年間販売され続け、その長い販売期間の間に幾度となくマイナーチェンジが行われていきました。
2012年には名称をクリッパーから、日産の商用モデルに使用されるNVというワードを取り入れ、NV100クリッパーに変更されました。この2012年以降のモデルは基本的にクリッパーではなくNV100クリッパーという名称の車種になりますが、クリッパーという名称も残っていること、車の性格としてもクリッパーのものを受け継いでいることから、本記事ではクリッパーの後継車種として引き続き紹介をしていきます。

2代目 DR64V型

三菱が商用の軽自動車の製造・販売から撤退し、OEM供給元だったミニキャブが絶版車となったため、日産はモコの供給も受けていたスズキからエブリィのOEM供給を受け、2代目NV100クリッパーとして販売を開始しました。
先代と比べると使い勝手が非常に良くなっています。運転席のシフトはインパネへ移動したことで運転席と助手席を行き来しやすくなっていますし、キャブより後部の荷台も大きくなり最大積載能力も向上しています。サイズこそほぼかわらないものの最小回転半径は先代よりも小さな4.1メートルとなり、より小回りのきく取り回しが良くなっています。
OEM供給元であるエブリィは日産の他三菱へもミニキャブとして供給していた他、マツダにもスクラムバンとしてOEM供給を行っていたため、同じ車が4つの日本車メーカーで販売されるという奇妙な状態を作り挙げました。

3代目 DR17V型

OEM供給元であるエブリィのフルモデルチェンジに合わせ、NV100クリッパーも2015年2月24日に新型へとフルモデルチェンジを果たします。超高張力鋼板を使用しボディ全体の剛性を挙げると同時に衝突安全性能もより安全に強化されています。トランスミッションもAGSという5MTをベースとするセミオートマを採用することで省燃費性能も高めています。軽自動車としてのサイズ自体は先代とほぼ変わりありませんが、室内のスペースは先代と比べてより広い空間を確保しています。ドアゲートやリアハッチの開口部も新素材のボディを使用することでボディ剛性を挙げつつ先代よりも間口を拡げることに成功しています。
安全装備として自動ブレーキシステムであるエマージェンシーブレーキの他、エマージェンシーストップシグナルやヒルスタートアシストといった電子制御機能をふんだんに盛り込んでおり、ハード面に加えてソフト面からも安全性や運転性能を高め、先代に比べてより機能的な商用車へと進化を果たしたモデルと言えます。

商用で使用されるだけあり燃費は良好

商用車として使用される、NV100クリッパーは実燃費でカタログより5キロ程燃費は落ちるようです。ターボ搭載車の実燃費はデータがありませんでしたがレギュラーと同じく1/4程落ちると考えるとターボ搭載車の実燃費は12kmほどということになります。

現行NV100クリッパー
NA   JC08モード:20.2km/L
    実燃費:14.77~15.43km/L
ターボ JC08モード:16.2km/L
    実燃費:データなし

日産 NV100クリッパー/バン/リオの燃費一覧。全国のオーナーからの給油情報を元にした実燃費が分かります。クルマの乗り方によっても燃費は大きく異なります。車レビューも参考になります。

仕事に使うなら軽トラックは外せません

初代 U71T/U72T型

初代クリッパーのバンタイプと同様2003年に販売が開始された三菱ミニキャブトラックのOEM供給モデルです。初代クリッパーと同様このクリッパートラックもミニキャブとの違いはエンブレムぐらいなもので、ほぼミニキャブトラックのまま日産クリッパートラックとして販売されていました。2003年の発売から2013年のフルモデルチェンジまで10年間の期間で大型のコンテナを搭載するパネルバンや、農工仕様車など様々な仕様の車両や特別仕様車が販売される中、性能面でも度々マイナーチェンジを受け進化を続けました。

2代目 DR16T型

クリッパーバンのモデルチェンジと同じく、三菱が軽自動車の商用モデルから撤退したためOEM元をスズキに変更し、スズキ・キャリイをOEM供給元として2013年12月3日より販売が開始されました。車としての基本性能の進化も2代目NV100クリッパーとほぼ同様の内容となっています。サイズこそほぼ変わらないがよりホイールベースが短くなり、最小回転半径を3.6mまでにしています。さらに荷台をより長くフラットなものへとした他、アンダーコートや3層にもなる塗装を行うことで、サビ対策がより強化されています。
キャリィが三菱・マツダへもOEM供給されていたため、このクリッパートラックも日本の4つのメーカーから同時に販売される車となりました。

お買い物にも使えるワゴンタイプ

初代 U71W/U72W型

2007年6月14日に軽自動車の乗用ワゴンタイプの車として、クリッパーリオの販売が開始されました。三菱ミニキャブの乗用ワゴンモデルであるタウンボックスのOEM供給モデルになります。初代クリッパーバンやクリッパートラックとお同様、このクリッパーリオもエンブレムの変更程度でほぼそのまま販売が開始されました。他のクリッパー兄弟と同様マイナーチェンジを受けながら販売されましたが、2012年1月25日に行われたクリッパーシリーズのマイナーチェンジに伴い、他のクリッパーシリーズより一足早く販売を終了することとなりました。

2代目 DR64W型

クリッパーバンがNV100クリッパーのを受け、2代目クリッパーリオもNV100クリッパーリオへと名称を変更し、2013年12月3日にフルモデルチェンジを行いました。OEM供給元もクリッパーバンと同じくスズキの乗用ワゴンタイプの軽自動車エブリィワゴンとなっています。先代クリッパーリオに比べるとスライドドアに「オートクロージャー」と呼ばれる半ドアでも全閉する機構を採用したほか、乗り降りに使用できるグリップやサイドステップを装備し、日常の使い勝手向上しています。
2代目エブリィワゴンも日産・三菱・マツダの各社からOEM供給モデルが販売されていました。
2010年にはNHMKという三菱と日産の合併会社が設立され、デイズやeKワゴンといった軽自動車の開発がされていましたが、軽自動車の税制優遇が少なくなり販売台数が減少していく軽自動車の自社製造を続けるのは難しいという現場もあり、NHMKで商用の軽自動車が開発されることはありませんでした。2016年現在の日産と三菱の関係を見ても、この先日産と三菱がシェアの縮小が予想される商用の軽自動車を自社開発することはないように思えます。

3代目 DR17W型

2015年2月24日、NV100クリッパーのフルモデルチェンジと同様に、NV100クリッパーリオもフルモデルチェンジを果たします。3代目NV100クリッパーと同様の変更が先代からされいます。車体剛性の向上とともに室内空間はより広いものとなり、乗り降りを行う間口もより広くなったほか、乗り降りしやすいグリップにサイドステップ、小物入れなど使い勝手の良さにつながる部分が向上しています。ボディ剛性を高めることで衝突安全性能を向上しているほか、デイズなどにも搭載されるエマージェンシーブレーキも搭載し、ソフトの面からも安全性能をより向上させています。

主要諸元

日産 NV100クリッパーリオG (現行モデル)

ボディタイプ:軽-RV系
ドア数:5ドア
乗員定員:4名
型式:ABA-DR17W
全長×全幅×全高:3,395×1,475×1,910mm
ホイールベース:2,430mm
トレッド前/後:1,300/1,280mm
室内長×室内幅×室内高:2,240×1,355×1,420mm
車両重量:1,010kg

エンジン・燃料系
エンジン型式:R06A
最高出力:64ps(47kW)/6,000rpm
最大トルク:9.7kg・m(95N・m)/3,000rpm
種類:水冷直列3気筒DOHC12バルブICターボ
総排気量:658cc
内径×行程:68.0mm×60.4mm
圧縮比:8.9
過給機:IC付きターボ
燃料供給装置:EPI(電子制御燃料噴射装置)
燃料タンク容量:40リットル
使用燃料:無鉛レギュラーガソリン

環境仕様
JC08モード燃費 14.6km/リットル

足回り系
ステアリング形式:パワーアシスト付きラック&ピニオン
サスペンション形式(前):マクファーソンストラット式コイルスプリング
サスペンション形式(後):I.T.L.(アイソレーテッド・トレーリング・リンク)式コイルスプリング
ブレーキ形式(前):ベンチレーテッドディスク
ブレーキ形式(後):ドラム(リーディングトレーディング)
タイヤサイズ(前) :165/60R14 75H
タイヤサイズ(後) :165/60R14 75H
最小回転半径:4.5m

駆動系
駆動方式:フルタイム4WD
トランスミッション:4AT

中古なら2代目以降のクリッパーがおすすめ

現行モデルが現在も販売されていますし、新車販売価格も最上級グレードであっても200万円に届かないクリッパーは、新車が欲しい場合には素直に新車を購入するのをおすすめします。エマージェンシーブレーキを搭載し安全性が高く、省燃費性能も十分で使い勝手も良くなっている3代目クリッパーは新車であっても良い選択です。
コストパフォーマンスを重視するとなりますと、狙い目となるのはOEM供給元がスズキのエブリィシリーズに切り替わった2代目が最も魅力的になります。2代目NV100クリッパーなら5万キロ以下の走行距離の少ない車両が総額50万円程で狙えるからです。年式を考えてもモデル末期で2012年と比較的新しい車種である2代目クリッパーなら故障も少ないですので、多少距離を走っていたとしてもターボ車でなければそうそうトラブルはないのでないでしょうか。
価格だけなら10万円落ちの車両もある初代クリッパーが一番安いことは安いですが、中古車は底値でも総額30万円くらいにはなってしまいますので、あと30万円だして故障の心配の新しいモデルを購入できるのなら、私なら2代目NV100クリッパーの購入のほうがコストパフォーマンスに優れるように思います。

リコール情報

中古車サイトに登録されている数々のクリッパーから、コンディションが良好な車種を選ぶ方法として、リコール情報への対応がされているかをチェックするというのも有効な方法です。リコール情報に対応した修理や改善をきちんと受けている車両なら、走行距離に関わらず良好なコンディションを維持している可能性が高くなります。

同じOEM供給モデルであるマツダ スクラムと比較して

現行クリッパーシリーズはスズキエブリィをOEM供給元としており、エブリィ以外にも2台の兄弟車がいます。その内の一台がマツダ スクラムです。グレードによって装備など組み合わせが若干変わることとエンブレムがマツダなこと以外は基本的に同じ車両です。中古車をお探しの時に、クリッパーでお目当ての車両が見つからない時はスクラムも検索してみることをおすすめします。

車中泊仕様の改造車も要チェック

使い勝手の良いバンであるクリッパーは、車中泊仕様に改造された車両も多く、中古車サイトにも登録されていることがあります。維持費が安く気軽に旅行を楽しめる車中泊仕様のクリッパーにも注目です。

派手さはないが堅実な車

商用で使われる自動車というのは、今回紹介したクリッパーやトヨタのプロボックスに大型のトラックに至るまで、ベースとなる車の基本性能がしっかりしていることがまず求められます。
特にトヨタのプロボックスなどは車としての完成度が高いことで有名ですが、トヨタのプロボックスなどは車体下部のフレームを止めているボルトなどが普通乗用車のそれより大きく頑丈なものを使用するなどして、ボディ自体をより頑丈なものにするなど、車としての基本性能を高める工夫がされているからです。日本の乗用車は10年10万キロの使用を考えて作られていますが、プロボックスのおうな商用車は20万キロ以上使用されるのは当たり前、しかも毎日の用に仕事で荒々しく使用されるのですから、車として高い基本性能が求められるのは当然と言えば当然です。クリッパーも商用車という性格上、車を運転する上での安全性や使い勝手の良さを良く考えて作られている車です。
多彩な車種展開ができるのも、ベースとなる車のできが良いからこそ、世の乗用車もこうあって欲しいと思える、派手さはないが堅実な車というのが、クリッパーという車ではないでしょうか。