ラリー、ダートトライアル&ジムカーナ!身近なモータースポーツに興味津々

モータースポーツ業界の偉い人達は、日本でのこの競技がなかなか盛り上がらない、と嘆いていらっしゃるようです。まぁ、その足枷になっている1つの要因は、興味を持った一般の人が自分でも今度の週末に参加…、と簡単に行かない点にもあるのでしょう。ですが実は、自動車免許を持っている人なら比較的に低いコストで始められるモータースポーツって、結構あるんですよ。それが「JAFスピード行事」に分類される競技会です。

スピード行事という名の、謎の競技会!?

出典:http://www.jrca.gr.jp/photo

JAF(日本自動車連盟)の『国内競技規則』を読みますと、『スピード行事』とは、「各車が定められたコース上を個別に走行し、個々の記録を順位判定の要素とする競技。」と明記されています。つまり、コース上で直接抜きつ抜かれつを行わない、自動車の競技ということになりますね。もちろんこれは、ちゃんとしたルールが決まっている競技会。いくら運転が上手くて凄いクルマに乗っているからといって、(もし、そういう人が居たとしたらですが)毎晩のように首都高を時速180kmで跳ばすというのは、「スピード行事」とは全く別ものです。

まぁ、(もし、そういうことをやる人が居ればですが)暴走行為には罰則しかつかないけれど、『スピード行事』に優勝すればトロフィーや賞品もついたりします。

ともかく、現行では『ジムカーナ』と『ダートトライアル』がメジャーな『スピード行事』です。そしてこれに(規定上は個別の競技になっている)『ラリー』も含めて、その最大の魅力は『JAF国内競技許可証B』(いわゆるBライ)で参加できるという所です。

ライセンスを取って競技会に参加。それだけでも、周囲に自慢しても良いことですよね。ましてやそこで、正規に優勝でもしたら凄いことです。

JAF全日本ラリー選手権

出典:http://www.jrca.gr.jp/guide

さて、『国内Bライ』で参加できる内で最上位に位置する自動作車競技が、たぶん『ラリー』だろうと思います。JAFの規定によれば、ラリーは『第1類』と『第2類』に分けられています。

まず『第1類ラリー』。これは、チェックポイント間を走行する平均速度&時間の「誤差」の少なさにより、順位を競う『アベレージラリー』が1つ。そしてもう1つ、『スペシャルステージ』というタイムトライアル区間を走行する速さで順位を競う『スペシャルステージラリー』というのに分けられます。そして、両タイプを抱き合わせた競技も可能です。

『第2種ラリー』というのは、『ツーリング集会』のこと。これは、『アベレージラリー』から平均速度の指定を省いたようなもので、特定の場所に集合することが目的です。もちろん、途中に必須のチェックポイントも用意されます。

このルールに照らすと、『全日本ラリー選手権』や『FIA世界ラリー選手権(WRC)』は、『スペシャルステージラリー』ということになりますね。そして日本国内であれば、『Bライ』さえ取得すればJAFの選手権に挑戦できる、それが『ラリー』なんです。

JAF全日本ダートトライアル選手権

出典:http://www.cusco.co.jp/motorsports/dart_trial/20163_5.html

言ってみれば、非舗装路面で競われるラリーのスペシャルステージだけを切り抜いたのが、ダートトライアルです。ラリーのように野山を駆け巡ることはできませんが、閉鎖された専用コースで行われるので、むしろ思いっきり飛ばせるとも言えそう。ダートトライアルでは、大会当日に設定されたルートをその場で記憶して、間違いなくレース走行しなければなりません。そしてもちろん、速くないと入賞はできません。

ダートを走行しつつのタイム争いなので、当然のこと4輪のタイヤともに滑らしつつカウンターステアを切りつつの、ドリフト走行となります。腕に自信があるドライバーは、そのあたりの華麗な運転技量を、カノジョに見せつけるには良いチャンスでしょう。広い範囲を舞台にするラリーだと、意外にギャラリーが立てる場所が限られるようです。それに比べると、限定された敷地内で行われるダートトライアルは、応援団の人達にも嬉しい競技と言えるでしょう。

JAFの規定で言うところの『スピード行事』にあたる、このダートトライアル。ということは、『国内B級ライセンス』さえあれば、誰でもエントリーが可能と言えます。そしてもちろんこの競技にも、『JAF全日本ダートトライアル選手権』という、トップクラスのシリーズがあります。

その『全日本ダートトライアル』は、全国のコースを転戦し年間8戦が開催されています。首都圏から最も近いコースでのイベントは、栃木県那須塩原市の『丸和オートランド那須』で行われる、第1戦と第6戦でしょう。(2016年は、3月19日と20日、および7月31日)

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ダートトライアルのドリフトテクニック!

JAF全日本ジムカーナ選手権

出典:http://www.cusco.co.jp/motorsports/gymkhana/20163_n3.html

『スピード行事』のもう1つの代表が、このジムカーナ。やはりタイムトライアルですが、こちらは舗装した路面を使います。古典的なスタイルは、サーキットのパドックや駐車場などにパイロンを並べて、コースを設定して行われます。また最近では、レースも行われる小さめのサーキットを使い、そのコースレイアウトを利用しつつ、パイロンでの設定を加えたルートで競う競技会も増えているそう。

完全に舗装された路面しか走らないので、ラリーやダートトライアルに比べると、車体への負担も軽くなるところもジムカーナの魅力。JAFの『全日本ジムカーナ選手権』になると、当然レベルはかなり高くなると思われますが、地方のクラブなどがライセンスなしでも参加できるジムカーナも開催しています。これなら、さほどの準備はいらず初体験するにはうってつけでしょう。

さて、その『全日本ジムカーナ』も、全国を移動しながら年8戦が開催されるシリーズとなっています。首都圏に近い所で言うと、栃木県芳賀郡にある『ツインリンクもてぎ』などになるでしょう。2016年は8月6日と7日に開催される第6戦です。

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ジムカーナ選手の鮮やかなドライビングテクニックをどうぞ!

各競技はどうやって行われる? ルールなど

実は、ラリーもスピード行事も、開催する側・参加する側ともに、結構細かなルールが制定されているんです…

全日本ラリーのルール

ラリーの場合は、一般公道を使用する競技となりますので、基本的に参加車両は全車ナンバー付となります。同時に、競技用車両としての明確な規定も存在しています。また、『全日本ラリー選手権』固有のクラス分けによって、競技のバランスが取られています。

『全日本ラリー』では、6段階の車両区分(JN1から6)が設定されていますが、排気量・駆動方式・改造範囲などによって複雑なクラス分けがされています。例えば、FIA(国際自動車連盟)の『グループA』に準ずる『グループR』車両(JAFでの呼び名はRR車両)は、広い改造範囲が認められますが2WDなために排気量での区分がありません。一方、改造範囲が狭まる『RN』車両(FIAのグループNに相当)と『RJ』(JAF公認車両)では、4WDも認められるために排気量2.5Lを境目に区分けされます。

『全日本ラリー』は、文字通り日本のトップラリードライバーを決める競技です。それでも、改造範囲の狭く比較的小さいエンジン(排気量1.6Lまで)を積んだFF車(RPN車両)でもエントリが可能です。また、ハイブリッドやEV(AE車両)でエントリーすることも可能。そう言う意味では、多様なチャレンジの仕方が出来そうですね。

そんな競技の勝敗を決めるポイントは、1位から8位までに与えられる制度になっています。優勝は20点、8位は3点です。この特典には、スペシャルステージの距離などに応じた係数が乗じられ、最大で2倍になることがあります。

『全日本ラリー選手権』は、北海道および本州の複数のコースを転戦し、年間9戦が設定されています。ちなみに、首都圏から一番近いイベントは、8月の26日から28日に群馬県で開催される「 モントレー2016 in 嬬恋」で、舗装路(ターマック)を使ってのラリーです。

JRCアソシエイション(JRCA)は全日本ラリー選手権をはじめとする日本のラリーの振興を目的とする任意団体です。

ラリーの基礎知識から年間カレンダーなど情報盛りだくさん

全日本ダートトライアルのルール

JAFの『スピード車両規定』によると、安全装備の取り付け程度しか許されない『P車両』が、もっとも底辺の競技車両となっています。とは言え、全日本クラスの競技にはこの車両のエントリーはありません。規格ではその上の『PN車両』から『N車両』、そして『SA車両』に『SC車両』と改造範囲が広い車両となり、競技用には現実的なクルマのようです。たとえば『PN車両』だと、『P車両』では認められないスプリングやショックアブソーバーなど、サスペンションへのスポーツチューンが可能になります。

ちなみにこれらの車両、『SA』までがナンバー付で『SC』以降はナンバーなし、もっともスパルタンな車両は『D車両』です。『D』になると、6点式以上のロールケージの装着が『「義務付け」だったり、駐車ブレーキの設置が任意(なくても良い)になったりします。つまり、完全な競技用の車両ということですね。『PN』は排気量1.6Lを境目に2クラスに分けられ、『N』以上は2WDか4WDかで分けられます。

そんなマシン達は、設定されたコースを単独で2回タイムアタックを行って、速い方のタイムで順位が付けられます。全日本ダートトライアルでは、一回の競技で使えるタイヤや最大8本で、銘柄・サイズを組み合わせることも許されます。

競技前には、エントリーした車両クラスの規定にあっているか、ちゃんと公式車検が行われます。このとき違反が見つかって対処ができなかったりすると、見物だけして帰ってくるという、悲しいことになる訳です。

走行中、設定されたコースを間違えると、そのヒートのタイムは無効になります。また、コースから4輪とも脱輪と認識されても同じ。パイロンなどのマーカーに触って動かしたりすると、一度につき5秒が加算されます。あと、ドライバーズブリーフィングに遅刻すると1万円の罰金(欠席は3万円)になりますので、エントリーをお考えの方はお忘れなく。

もちろんダートトライアルも、競技結果に応じてポイントが与えられ、優勝が決定します。その得点は1位のドライバーに20点、入賞圏は10位までで1点です。

全日本ジムカーナのルール

グラベルとターマックの違いはあれど、ジムカーナもダートトライアルも競技としての性格はほぼ同じです。したがって、JAFのルールも1つの書類にまとめられています。ですので、参加するための車両のクラス・改造範囲なども、2つの競技で共通となっています。

双方のルールで顕著に違うのは、タイヤに関する部分です。ジムカーナでは一度の競技で使えるのは、1セットのみとなっています。このタイヤは車検時にマーキングされて、車両保管解除もしくは最終結果の発表までは変更はゆるされません。

また、これはダートトライアルも同様ですが、『全日本選手権』の場合はレース用のスーツ・シューズ・グローブ、そしてヘルメットの着用が義務付けです。これはまぁ、なかなか本格的な雰囲気が味わえるという意味では、うれしい規定かもしれませんね。

そのほか、順位付けやペナルティーは、ダートトライアルと同じです。

スピード行事の新風、サーキットトライアル

最後におまけ情報です。

『サーキットトライアル』は、近年生まれた競技です。その名の通り、レーシングコースであるサーキットを舞台に、タイムトライアルだけを行うスピード行事がこれ。いわば、レースの時の予選だけを切り取ったような競技で、もちろん『国内B級』のライセンスで参加が可能(他にサーキットライセンスも必要)です。

例えば、『富士スピードウェイ』なら、『FISCO SPECIAL STAGE TRIAL』として年間3回開催されます。『スーパーフォーミュラ』や『SUPER GT』そして『F1』も開催されたコースで、JAF公認の腕試しができる、ジムカーナよりは格が上のイメージがある競技になっています。富士の場合は、インストラクターの先生も用意されています。

競技のイメージとしては、受付と車検をすませた後にブリーフィング&講習会。そして昼から午後にかけて、10分間の慣熟走行1回に20分間のトライアルを2回おこないます。

と言う訳でなかなか面白そうなのが、この『サーキットトライアル』。スポーツ走行と違って、正式に計測された順位がつくのも魅力です。富士の1.5kmのストレートから飛び込むTGRコーナー。はたして、あなたは何メートル手前までブレーキを我慢できるでしょうか…

まとめ

なんとなく、色眼鏡でみられがちな自動車の競技。でも、スピード行事クラスのものなら、ライセンスすら持たずに参加できる『クローズド』というのもあります。ですから、実は結構に裾野の広い、普通のスポーツなんです。

大会のオーガナイズには、JAFの細かな規定がありますから、安全性や公平性についても最大限の管理がされていると言っても良いでしょう。

クルマ好きで運転に自信のある方、もし興味が湧いたら地元のクラブが開催する競技会を見つけて、一度エントリーしてみたらいかがでしょうか。

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